サブ機として導入したEOS Kiss Mが思いのほか気に入って、メインのフルサイズそっちのけでKiss Mばかり持ち出している管理人ですが、最近ちょっとした不満がでてきました。やっぱり、対応レンズが少ない!ご存知の通りEOS Kiss Mはキヤノンの小型ミラーレス用の「EF-Mマウント」を採用しているのですが、これがまぁ種類が少ない。という訳でEOS Kiss Mでキヤノン一眼レフ用レンズが使えるようになるアイテム「マウントアダプターEF-EOSM」を買ってみました!今回はEOS Kiss Mにマウントアダプターを使って色々なフルサイズ用レンズを試してみて、使用感とか写りの違いとかそんなところをレビューしていきたいと思います!
この記事は最新のEOS Kiss M2にも対応しますのでご安心下さい!
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結論:マウントアダプターで可能性がさらに広がる!
EOS Kiss Mと一眼レフ用レンズ達
現状ミラーレス用ではあまり種類が無い単焦点レンズや望遠レンズも、マウントアダプターを使えば問題解決です。キヤノンは長年一眼レフにかなりの力を入れていましたから、現時点でもどちらかと言うとミラーレス用の「EF-M」レンズより一眼レフ用の「EF,EF-S」レンズの方が種類が揃っています。なのでこの「マウントアダプターEF-EOSM」があれば、Kiss Xシリーズ用の割と安めで良く写るレンズから、フルサイズ用Lレンズといったプロ級のレンズまで、キヤノンのほぼ全てのレンズが使えるようになります。もしキットレンズだけでは物足りなく感じているなら、是非マウントアダプターを利用してキヤノンのEFレンズシリーズを使ってみて下さい!自分に合った表現力を持ったレンズがきっと見つかると思います。
EOS Kiss Mで使えるマウントアダプター「EF-EOSM」
キヤノンMシリーズで使えるマウントアダプター「EF-EOSM」
ではまず、マウントアダプターとは何か?を調べてみましょう。
レンズ交換式のデジタル一眼には「マウント」というボディ(カメラ本体)とレンズの接合部があって、これが同じ規格でないとレンズをボディに装着することができません。例えば、一部の例外を除いてメーカーが違うとマウントも違うので、違うメーカーのレンズとボディを組み合わせることはできません。さらに現在は一眼レフ用とミラーレス用に別々の「マウント」が採用されているので、たとえ同じメーカー同士であっても、ミラーレスはミラーレス専用、一眼レフは一眼レフ専用のレンズしか使えないというのが現状です。
つまりこういうイメージ
そしてそれを解決するのがこの「マウントアダプターEF-EOSM」です。見た目はただのリングに接点が付いただけのように見えますが、このアダプターをボディとレンズの間に挟むことで、EOS Kiss M にそのままでは取り付けられない、キヤノンの一眼レフ用のEFレンズとEF-Sレンズが使えるようになります。ちなみに逆のパターン、ミラーレス用のEF-Mレンズを一眼レフ(EF,EF-Sマウント)で使えるようにするアダプターはありません。理由は割愛しますが物理的に不可能なんです。(知りたい方は「フランジバック」で検索してみて下さい。)
マウントアダプターの使い方
レンズ交換と同じ要領でマウントの「○」白丸を合わせて装着
それでは早速実際に使ってみましょう。まずはボディにマウントアダプターを装着しますが、方法はとても簡単です。レンズ交換と同じ要領で、まず付いているレンズを外し、それからマウントアダプターの白丸とボディの白丸を合わせます。あとは時計回りに回して「カチッ」とロックされたら完了です。
赤丸はフルサイズレンズ用、白四角はAPS-Cレンズ用のマーク
次にマウントアダプターにレンズを装着しますが、ここは少し注意が必要です。よく見るとマウントアダプター側には赤丸と白四角の二つのマークがありますよね?これは、レンズによって合わせる場所が違うんです。フルサイズ用のEFレンズは赤丸に、APS-C用のEF-Sレンズは白四角に合わせるようになっています。間違えるとまっすぐにはまらないので焦らないようにしましょう。
レンズの性能が落ちたりしない?
プロ用レンズも問題なく使える?
アダプター経由だとAF(オートフォーカス)のスピードが落ちるという話を聞いたことがあるかもしれません。しかし自分の手元にある一眼レフ用のLレンズ達で試してみましたが、どれもレフ機と比べて違いは感じませんでした。もしかしたらよっぽど古いレンズなら影響があるのかもしれませんが、さすがにそんな古いレンズをEOS Kiss Mで使いたい、という人も稀だと思うので、あまり心配はいらないと思います。
マウントアダプターの大きさと重さ
マウントアダプター単体の重量は108g(三脚座除く)
EOS Kiss Mの魅力はその小型軽量のコンセプトにあると言えるでしょう。マウントアダプターを付けるとどれぐらい重くなるのでしょうか?アダプター本体は100g程度です。ただ、どちらかというとアダプターの重量より一眼レフ用レンズはそのものが重いので、全体としてはかなりの重量増は覚悟する必要があるでしょう。
EOS kiss M+マウントアダプターで約500g(バッテリー込み)
もし少しでも軽い方が良いならば、フルサイズ用ではなくAPS-C用のEF-Sレンズから選ぶのも手かもしれません。一般的にAPS-C用のレンズはフルサイズ用に比べて軽量なものが多いからです。APS-C用のレンズは一昔前は写りの質はやはりフルサイズ用には劣ると言われていましたが、最近ではKissクラスのキットレンズでも十分に良く写ります。特に最新のキットレンズである「EF-S55-250mmF4-5.6 STM」は望遠レンズとしてはかなり軽量コンパクトなのにフルサイズ用レンズに遜色ない写りをしますので個人的におすすめです。
EOS Kiss MにおすすめなEFレンズ達
では、手持ちのEF,EF-Sレンズの中から、EOS Kiss Mで使ってみて良かったレンズを紹介します。
おすすめ① パンケーキレンズ「EF40mm F2.8 STM」
パンケーキレンズでもKiss Mにはちょっと大きく感じる
キヤノンには通称「撒き餌レンズ」と言われる定番の「EF50mm F1.8 STM」があるのですが、このEOS Kiss Mにはそれよりもこの「EF40mm F2.8 STM」の方が相性が良いように思います。なぜなら「EF50mm F1.8 STM」はEOS Kiss Mで使うと80ミリ相当の望遠レンズになってしまうので、それならいっそF2.8ですがパンケーキレンズのこの「EF40mm F2.8 STM」の方が小さいし値段変わらないし、64ミリ相当でギリ標準域だし、ということでスナップには使いやすいと思います。逆にEF50mm F1.8 STMはポートレートなどには良さそうですね。
EOS Kiss M+EF40mm F2.8 STM 作例
おすすめ② 望遠ズームレンズ「EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM」
キットレンズより大きいが画質はずっと良い
EOS Kiss Mを望遠レンズ無しのキットで買った人や、ダブルズームキットについてくる「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」の画質に不満がある人に試してほしいのがこの「EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM」です。これは一眼レフのEOS Kiss Xシリーズ用のキットレンズなのですが、軽いくせにかなりシャープに写ると評判の望遠レンズです。EOS Kiss Mのダブルズームキットについてくる望遠レンズも悪くはないのですが、望遠側ですこしモヤッとする感じがしませんか?マウントアダプター経由で「EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM」にすればほんのちょっとですが望遠側が伸びますし、ワンランク上の解像感が手に入ります!また、もともとキットレンズなので良品の中古が豊富なのも魅力です。定価だと4万円近くしますが、カメラのキタムラやマップカメラで1万円台で良品が十分探せます。
EOS Kiss M + EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM 作例
おすすめ③ Lレンズ「EF24-105mm F4L IS USM」
ちょっと古くてもLレンズの名は伊達ではないことがわかるレンズ
10年以上前のレンズですが、キヤノンのプロ用レンズの通称「Lレンズ」です。重量やサイズを犠牲にして写りに特化した設計のシリーズのためかなり大きくて重いレンズですが、どの焦点距離でも解放F値がF4から変わらない便利さと、古くてもLレンズの画質、色合い、解像感どれをとってもまだまだ通用すると思って使っています。とくにLレンズ特有の「色の濃さ」は安いレンズでは出せないものです。これも中古でかなり安く出回っていますが、やや古いレンズでかなり程度にばらつきがありますので、カメラのキタムラやマップカメラといった中古にも保証をつけてくれるショップで買う方が良いでしょう。
EOS Kiss M + EF24-105mm F4L IS USM 作例
番外編 Lレンズ「EF70-200mm F2.8L IS USM II」
もうとりあえず持ってるから装着してみた状態
レンズ単体約1.5Kg、ボディと合わせて我が家のスケールでは測定不能の夢の2キロオーバー。EOS Kiss Mの良さを完全に殺す組み合わせがこのプロ御用達「EF 70-200mm F2.8L IS USM II」でしょう。もはやEOS Kiss Mが霞んで見えます。ぱっと見ほぼギャグみたいな姿ですが、こんな組み合わせができるのもある意味キヤノンの凄い所だと思います。望遠ズームレンズなのにF値がF2.8通しという驚異のレンズで(望遠側だとシャッタースピードが4倍以上になります)、もちろん写りも文句なし。今なら現行型のひとつ前のII型が狙い目。中古も豊富ですが、こちらもかなり使い込まれているものも多いので、程度に注意しましょう。
EOS Kiss M + EF70-200mm F2.8L IS USM II 作例
マウントアダプターの欠点
もちろんマウントアダプターも残念ながら良い面ばかりではありません。既に本文中で説明していますが、改めてマウントアダプターを使ってEF、EF-Sレンズを使う際のデメリットを上げておきたいと思います。
ミラーレス一眼のせっかくの小型軽量が犠牲になる。
似たスペックなのに大きさがこれだけ違う
元々が一眼レフ用のEF、EF-Sレンズはミラーレス専用のEF-Mレンズよりも一回り以上大きくて重くなります。もちろんそれを補って余りある画質面でのメリットもあるのですが、携帯性や小型を最優先にするなら選びにくいかもしれません。
サードパーティ製には使えないものもある。
シグマとタムロンはマウントアダプターをサポートしていない
マウントアダプター「EF-EOSM」がサポートしているのはあくまでキヤノン純正レンズだけです。いくらネット上で使えるという情報があったとしても、ファームウェアのバージョンや製造時期の違いによっては使えない可能性がぬぐい切れませんし、ある日突然本体のバージョンアップで使えなくなるかもしれません。
キヤノン純正でも古い物はダメな可能性がある。
ちなみにこれはかなり古いですが問題なく使えました
これに該当する人はほとんどいないと思いますが・・・。もしフイルム時代のEFレンズを使いたいという人がいたら、一度公式HPで適応を確認しておいた方が安心でしょう。ただし、そこまで古いレンズだと解像度などの点を考えても、わざわざマウントアダプターを用意してまで最新のEOS Kiss Mで使うメリットがほとんどないように思います。
まとめ:キヤノン使いならむしろ使わないともったいない!
キヤノンは一眼レフ用のレンズが強い ぜひ利用しよう
いかがだったでしょうか?EOS Kiss Mにマウントアダプターを使えばレンズ選びの可能性がずいぶんと広がりますので、是非ともおすすめしたいと思います。もともとキヤノンの一眼レフを使っていた人であれば、手持ちのレンズ資産があると思いますし、これからレンズを買い足す人でもEFマウントを選んでおけば、将来フルサイズのRマウントのボディを買っても、マウントアダプター経由にはなりますが無駄にはなりません。せっかくのキヤノン機を選んだのですから、是非ともマウントアダプターを使用して、レンズ選びの可能性を広げて頂ければと思います。
この情報が皆さんのお役に立てればうれしく思います。最後まで読んで下さってありがとうございました。
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