


この記事では2023年3月に発売されたキヤノンの新しいエントリーミラーレス一眼であるCANON EOS R50と、これまでロングランヒットと続けてきたCANON EOS Kiss M2を比較し、違いを説明検証しています。
EOS Kiss M2はかなりのヒット作ですが、もとは2018年に発売されたEOS Kiss Mのマイナーチェンジ版なので、最近ではさすがにちょっと古さを感じるようになっていました。

EOS R50 って新しいEOS Kiss なの??

キャノンは公式にEOS R50がEOS Kiss M2の後継機であるとは言っていないようですけど、実質はそうでしょうね
一方で「Kiss」の名前が外れたとはいえ同じくエントリー層を受け持つEOS R50は、EOS Kiss M2と比較してどの程度進化したのでしょうか?
初めてカメラを買う人にもなるべくわかりやすいように、比較画像満載でお送りしたいと思います!

これからカメラを始める人だけでなく、EOS Kiss M2ユーザーの買い替え検討の参考になる情報も満載ですよ

EOS Kiss M2持ってるけど買い替えようかな・・・
*各ショップの最新価格をチェックしよう!
- 結論:EOS R50は正常進化、でも撮るものによってはEOS Kiss M2でも十分かも
- EOS R50とEOS Kiss M2のスペックの違い
- EOS R50とEOS Kiss M2の外観を比較してみよう
- EOS R50とEOS Kiss M2の「はっきりわかる」違い
- EOS R50とEOS Kiss M2の「意識したらわかる」違い
- EOS R50とEOS Kiss M2の「ほとんどわからない」違い
- EOS R50がEOS Kiss M2よりスペックダウンしたところ
- EOS R50の残念ポイント
- 撮影タイプ別:EOS R50がおすすめなのはこんな人
- 撮影タイプ別:EOS Kiss M2がおすすめなのはこんな人
- まとめ:性能差はかなりのもの、高く売れるなら買い替えもあり
結論:EOS R50は正常進化、でも撮るものによってはEOS Kiss M2でも十分かも

結論から言うと、「EOS R50」はほとんどの部分が「EOS Kiss M2」よりも高性能です。
特にAF(オートフォーカス、自動ピント合わせ)は最新のトラッキング対応AFが採用されており、間違いなくクラストップの性能でしょう。
その他にもEOS Kiss M2の残念ポイントだった、4K動画周りの弱点(クロップ&最高24P)も改善しており、USBもType-Cになるなど細かい所を含めて最新にふさわしいアップグレードがされています。

やっぱり2年以上も経ってるんだから結構差ができちゃうよね

今回のEOS R50はほぼすべての面でEOS Kiss M2はおろか、他社のエントリー一眼と比較してもトップクラスの出来だと思います。
一方でEOS Kiss M2は少々古くなりましたが、それでも標準レンズが15mmスタートである点や、さらに発売から年数が経過している分価格面ではかなり有利です。
費用をなるべく抑えたい人や、お散歩カメラとしての使用であればEOS Kiss M2でも十分な写りをしますので、そのあたりも考えていきたいと思います。

EOS R50とEOS Kiss M2の比較画像満載ですよ
EOS R50とEOS Kiss M2のスペックの違い


まずはスペックの違いをざぁっと見てみましょう
ではまずEOS R50とEOS Kiss M2のスペックの違いを見てみましょう。大きく違う所を赤文字にしています。
EOS R50 | EOS Kiss M2 | |
---|---|---|
センサーサイズ | APS-C | APS-C |
画素数 | 2420万画素 | 2410万画素 |
ボディ内手ブレ補正 | 無し | 無し |
センサークリーニング | 無し | 有り |
画像処理エンジン | DIGIC X | DIGIC 8 |
記録メディア | SDカード (UHS-I) | SDカード (UHS-I) |
メディアスロット数 | 1 | 1 |
常用ISO感度 | 100-32000 | 100-25600 |
フリッカー低減機能 | 有り | 無し |
明瞭度設定 | 有り | 無し |
AF | デュアルピクセル CMOS AF II | デュアルピクセル CMOS AF |
測距点 | 4503点 | 143点 |
トラッキングAF | 有り | 無し |
サイレント撮影機能 | 有り | オートのみ |
最高シャッター速度 (メカ) | 1/4000 | 1/4000 |
最高シャッター速度 (電子) | 1/8000 | 無し |
連写数(メカ) | 12枚/秒 | 10枚/秒(AF固定) 7.4枚/秒(AF追従) |
連写数(電子) | 15枚/秒 | 無し |
バッファ(JPG) | 約42枚 | 約36枚 |
バッファ(RAW) | 約7枚 | 約10枚 |
モニターサイズ | 3.0型 | 3.0型 |
モニタードット数 | 162万ドット | 104万ドット |
4K動画 | 30p,24p (クロップ無し) | 24p (クロップ) |
商品レビューモード | 有り | 無し |
動画自動水平補正 | 有り | 無し |
動画ブリージング補正 | 有り | 無し |
インターフェース | USB Type-C | Micro USB |
バッテリー | LP-E17 | LP-E12 |
撮影可能枚数 (ライブビュー) | 約370枚 | 約320枚 |
重量 (ボディ、ブラック) | 328g | 350g |
発売日 | 2023年3月 | 2020年11月 |

すごい!ほとんどEOS R50の圧勝だね!

EOS R50は新しい機種なので、「スペックが進化」しているのは当然ですね。
EOS R50はEOS Kiss M2より約2年(初代Kiss Mからだと約5年)新しい機種なので、カメラとしての性能を比較した場合当然のことながら、殆どの場面で新しいEOS R50はEOS Kiss M2よりも高性能になっています。
詳しくは後述しますが、新しいトラッキング対応のオートフォーカス(自動ピント合わせ)やサイレント撮影機能の本格的な実装などは、初めてカメラを買う人でも恩恵を受けられるでしょう。
「カメラをこれから始める」、「詳しいことは分からない」という人で、EOS R50とEOS Kiss M2の価格差がなんとかなる人であれば、普通は新しいEOS R50を選ぶ方が無難ですね。

もし予算が許すならば、大抵の人は新しいEOS R50を狙う方がいいと思います
EOS R50とEOS Kiss M2の外観を比較してみよう


それでは次は二機種の外観を比較してみましょう




EOS R50とEOS Kiss M2の外観上の大きな違いはありませんが、デザインが直線的だったEOS Kiss M2に比べてEOS R50はどちらかというとずんぐりした印象となっています。
細かい所を言えば、メイン電子ダイヤルがEOS Kiss M2はキャノンのカメラでは珍しい「シャッターボタンを囲むタイプ」だったのに対して、EOS R50は他のRシリーズのカメラと同じタイプになっています。
さらに「M-fnボタン」が廃止されISOボタンとなり、録画ボタンと合わせて配置場所も大きく変わりました。このボタン類は慣れれば「指で場所を覚える」ものなので、あまり大きな変更は嬉しいものではないですね。


続いて付属レンズの違いも見てみましょう。付属の標準レンズはどちらも撮影時には伸ばす必要がある沈胴式です。
EOS Kiss M2の標準レンズは伸ばすのにロックスイッチの操作が必要なのに対して、EOS R50の標準レンズではロックスイッチが省略され、回すだけで撮影状態に伸びる仕様になっています。
これによっていちいち撮影ポジションにするときにスイッチを動かす必要がなく、ただ回せばよくなったので、手間が一つ省けました。




さらにダブルズームキットに付属する望遠レンズも比較してみましょう。ぱっと見はあまり変わりませんが、新しいRFレンズの方がほんの少し長くなっています。
さらにレンズの根本(マウント付近)については、フルサイズ対応のRFマウントを採用しているR50用のレンズはマウント径に合わせて一回り太くなっています。
どちらの機種もかなり軽量な上、しっかりと握れるグリップがあるので、使い勝手に大きな違いは無いように思います。

並べてみると似ているようで結構違う所があるね

レンズスイッチが廃止されたのと、人差し指で回すダイヤルが変わったのが外見での大きな変更点でしょうか
EOS R50とEOS Kiss M2の「はっきりわかる」違い


ではまずEOS Kiss M2に比べて、はっきりと体感できるぐらい進化したポイントを見てみましょう
オートフォーカス(自動ピント合わせ)がめちゃくちゃ進化した

実際の撮影面でEOS R50とEOS Kiss M2の一番の違いはこのAF(オートフォーカス、自動ピント合わせ)の違いかもしれません。
新しいEOS R50は最新の「デュアルピクセルCMOS AF II」が搭載されており、具体的には一度被写体を「ロックオン」すると被写体が動いても自動で追い続ける「トラッキングAF」を使うことができます。
他にもAF枠の数や種類も中級機並みになりましたし、人だけでなく動物の瞳も自動的に認識してピントを合わせてくれるようになりました。

犬や猫だけでなく鳥も自動で認識するんだね!

人もそうですが、動物の目にきちんとピントを合わせるのはかなり難しいので、これはかなり嬉しい機能ですよ
ついにサイレントシャッターがまともに使えるようになった

個人的に一番うれしい機能がこの「サイレント撮影」機能の実装です。
じつは以前のEOS Kiss M2にもこのサイレント撮影機能があるにはあったのですが、ISO感度や絞りといった基本的な設定すらAUTO以外に変えることができない仕様だったので、使い道がありませんでした。


今回EOS R50に搭載されたサイレント撮影機能は上位機種と同じくAvモードやTvモードでも使えるようになりました。

フルオートだけでなく、いつも使うモードでシャッター音だけを消して撮れるので、露出補正やホワイトバランスなど自分の好みのままに調整することが可能です。
これで、子供の寝顔や発表会といったシャッター音がちょっと気になる場面でも、心置きなく撮ることができるようになりました。

シャッター音を消して撮れるんだね

以前は「サイレントはオートのみ」という、ちょっと撮れる人にはとても歯がゆい仕様だったのですが、改善されましたね
デジタルテレコンで手軽に望遠撮影ができるようになった

EOS R50には「デジタルテレコン」という、簡単に拡大して撮る機能が追加されました。
例えばズームが既に望遠一杯なのに、「もうちょっと大きくならないかな?」と思った時にこのデジタルテレコンを使えば、もう一段階大きく撮ることができます。




このデジタルテレコンはスマホなどの「電子ズーム」と同じく、あまり大きくすると画質が劣化するのですが、簡単に「もうちょっと大きく」撮りたい時などに手軽に使えてとても便利です。
使う時に2Xと4Xが選べますが、4Xだとさすがにぱっと見でも劣化がわかるので、2Xあたりに抑えるのがいいかもしれません。
さらに、RAWでは撮れないという制限もありますが、4XもSNSなどスマホ専用としてならなんとか使えると思いますし、なにより簡単にパッと大きく撮れるのは、初心者にはとても嬉しい機能だと言えそうです。

これがあれば望遠レンズいらないんじゃ・・・?

そこまで便利になればいいですけどね、やっぱり画質がちょっと悪くなっちゃうので、使いどころの見極めが必要です
「明瞭度」パラメーターが追加されて表現の幅が広がった★オススメ★

この「明瞭度」パラメーターは知る人ぞ知る魔法のパラメーターと言っても過言ではない位、写真表現の幅をグッと広げてくれる調整項目です。EOS Kiss M2には非搭載でしたが、EOS R50には搭載されています。
簡単に言うと「ふわふわ~カリカリ」を調整するパラメーターで、例えば花やポートレートなどは「よりふわっと」仕上がりますし、街スナップなどによりインパクトを持たせることもできます。



作例はもともとフワッとした被写体だったのでわかりにくいですが、花などを撮る時に明瞭度をマイナス側に調整しておくとより柔らかい雰囲気がでていい感じです。
逆に街スナップでコンクリートや鉄を撮る時にはプラス側一杯にしておくと、冷たさや固さが際立つのでこれもおすすめです。
最初はなかなかそこまで手が回らないと思いますが、慣れてくるともうコレ無しでは撮れないと思うぐらいよく使うようになりますよ☆
RFマウントになってレンズの選択肢が広がった

これは「はっきりわかる違い」に入れていいのかどうかわかりませんが、EOS R50はRFマウントになりましたので、最新のRFマウントレンズを使うことができるようになりました。
EOS Kiss M2が採用しているEF-Mマウントはお世辞にも充実しているとは言い難く、サードパーティ製レンズもほとんどないため、いくらカメラ本体の出来が良くても拡張性という意味ではイマイチでした。
その点EOS R50のRFマウントはこれからどんどん新製品のレンズが出てくるはずなので、ゆくゆく追加レンズも買って楽しみたいと思っている人には断然EOS R50がおすすめです。

EOS R50なら例えば「撒き餌レンズ」で有名な50mmF1.8もアダプター無しで使うことができます
4K動画が(ようやく)30Pに対応した

EOS R50の発表を見た時、「やっとか!」と「おぉ!」の声が同時に出たのがこの動画機能です。
従来のEOS Kiss M2は4K動画に一応対応しているとはいえ、24pまでにしか対応していないのと、「クロップ」といって、本来のレンズ性能よりも拡大して記録されるちょっと時代遅れ感満載の仕様でした。


それがEOS R50で「ようやく」30pで撮れるようになっただけでなく、クロップなし6Kオーバーサンプリングという予想外に高性能な仕様となり、従来の動画が弱いイメージを一気に打ち壊しに来た感じですね。

その6Kオーバーサンプリングってすごい事なんですか?

勝手にクロップ(拡大)されないのはもちろん、たくさんの画素からデータを作るのでより細かいディテールまで再現できるようになるんですよ
作例が無いのが恐縮ですが、実際に見比べるとEOS Kiss M2の4K動画はどこか「モヤッ」とした感じがあるのに対してEOS R50の4K動画は明らかに「シャキッ」としています。
さらに、最近流行りの「商品レビュー用モード」や「動画時自動水平」機能なども用意されていて、キャノンが割と本気で動画ユーザーの事を考えているのがわかりますね。
USB端子がType-Cになった

これが嬉しい変更かどうかは人によって違うかもしれませんが、EOS R50は接続ケーブルが「USB Type-C」となりました
今はほとんどのスマホやタブレットがこのType-Cを採用しているので、これを歓迎するユーザーは多いと思います。
実際にType-Cを使ってみるとよくわかりますが、端子の表裏を意識しないでいいというのは本当に快適なので、はやく手持ちの機器が全てType-Cに置き換わらないかなぁ、もう一気に全て入れ替えようかなぁなどと考えています。

よかった、これでUSB Microケーブルはいらなくなるね

自分はまだまだ他にも古いカメラがあるのでMicroケーブルは手放せませんけどね
EOS R50とEOS Kiss M2の「意識したらわかる」違い


では次に、EOS R50とEOS Kiss M2の「ぱっと見は分からないけど、よく見たらわかる」違いを見ていきます
画像エンジンが最新の「DIGIC X」になって暗い所のノイズが減った

EOS R50はEOS Kiss M2よりも新しい世代の「DIGIC X」が採用されています。
画像エンジンとは、センサーが集めた光の情報を目に見える画像の形に変換する部品で、一般的に画像エンジンが新しいほど、ノイズ処理が上手くなり暗い所に強くなります。


上の画像は実際にEOS EOS R50とEOS Kiss M2でISO感度をほぼ最高の「ISO 25600」で撮った画像です。
EOS Kiss M2の方は高感度で出てしまうザラザラしたノイズを消すために、強力なノイズリダクションが効いていますが、その副作用でかなり細部が潰れた「モヤッとした」画像になってしまっています。
一方でEOS R50は同じように強力なノイズリダクションがかかっているのですが、細部のディテールは十分に残っていて、スマホレベルであれば十分に使える画質なんじゃないかと思います。


次にセンサーそのものの性能を比較するために、敢えてノイズリダクションをオフにして撮影してみました。
新しいEOS R50はEOS Kiss M2と比べてかなりザラザラ感が少ないのがわかると思います。
つまりEOS R50は画像エンジンに加えて、イメージセンサーそのものの性能もアップしているので、EOS Kiss M2と比較するとかなり「暗い所でも撮れる」カメラになっていると言えそうです。

ぱっと見だと違いがわからないね

スマホの小さな画面で見るだけならノイズの影響はほとんどありません。SNS中心ならこの2台の違いはほぼ無いでしょうね
電子シャッターのみだけど1/8000秒が使えるようになった

どのメーカーもエントリークラスのミラーレス一眼は、シャッタースピードの最高が1/4000秒なのがほとんどですが、新しいEOS R50は電子シャッター時にもう一段早い1/8000秒が使えるようになりました。
電子シャッターなので動体には不向きですが、例えば屋外ポートレートでF1.4を使いたい時に1/4000秒だとギリギリ露出オーバーしてしまう時など、あれば助かりますね。
もちろん電子シャッターだともっと早いシャッタースピードが切れる機種もあるので、物足りないと言えば物足りないのですが、初心者向けカメラであることを考えると、1/8000秒が使えるだけでもまぁ悪くないのかなと思います。

1/4000とか1/8000とか、よく意味がわからない

屋外でF値1.4とかの単焦点レンズを使う場合に、ちょっとだけ助かる可能性がある、みたいな感じです
連写のコマ数が増えた

これも使ってみれば違いははっきり分かる点だと思いますが、連写のコマ数が結構増えました。
注目したいのはEOS Kiss M2はAFをサーボ(自動追従)にしていると1秒間で7.4枚しか撮れないのに対して、新しいEOS R50はサーボモードでも1秒間に12枚、電子シャッターなら15枚も撮れるようになりました。
ただ、あくまでもエントリークラスのカメラでバッファが小さいため、あっという間にストップ(バッファフル)してしまうので、実用面で考えればその差はあまりないかもしれません。

RAWだとどちらも残念ながら1秒ぐらいしか連写が続かないので、あまり使えないという意味で差はないですね
EOS R50とEOS Kiss M2の「ほとんどわからない」違い


では最後にEOS Kiss M2とEOS R50の「見比べてもほとんどわからない程度の違い」を見てみましょう
液晶モニターの解像度が上がった

個人的に言われてもほとんどわからない違いがこの液晶モニターの解像度です。

従来のEOS Kiss M2のモニターの画素数が104万画素に対して、新しいEOS R50のモニターの画素数は162万画素と、EOS R50の液晶モニターはかなりスペックアップしました。
もっとも、EOS Kiss M2でも液晶モニターも十分に綺麗なので、自分としては「良い意味で」どちらでもいいという感じです。

見比べたら違うというのは分かるけど、どっちが綺麗かと言われれば・・・難しい・・・
バッテリーの持ちがちょっとだけよくなった

新しいEOS R50はバッテリーがEOS RPやEOS R10と同じ「LP-E17」となりEOS Kiss M2よりもほんの少し大きくなりました。
スペック上の撮影可能枚数で比較するとライブビュー時だとEOS R50が370枚、EOS Kiss M2が320枚と確かに増えています。


ですが、この撮影可能枚数は撮り方でかなり変わるのであまりアテになりません。実際EOS R50のバッテリー持ちが劇的に良くなった気もしないので、この辺りは誤差の範囲だと感じます。

どちらの機種も最初は100枚ぐらいしか撮れないこともありましたが、慣れてくれば500枚近くは撮れていますよ
起動時間がほんの少し早くなった

これは2台同時に電源を入れてみると違いははっきりと判るのですが、EOS R50の方がEOS Kiss M2に比べて半分ぐらいの時間で起動します。
ですが、実際フィールドで「電源オンの起動が早くなった!」と感じるかと言われれば、それはその人の撮影スタイルによるのかもしれません。
この辺は実際に都市型のスナップシューターの方々に話を聞いてみないとわかりませんが、きっと普通に使う分にはこの「コンマ何秒」の起動時間の違いはほとんどわからないと思います。

自分はEOS Kiss M2でも遅いと感じたことはなかったので。このあたりの感じ方は個人差があると思います
ほんの少し軽くなった

従来のEOS Kiss M2も十分に軽量なカメラだったのですが、新しいEOS R50はなんとそれよりも軽く仕上げてきました。




これは人によるのかもしれませんが、自分の鈍感な手の感覚だと正直12gの違いを感じることはできませんでした。
もちろん集中して持てば「なんとなく軽いきがする」のですが、実際のフィールドでの撮影で違いがわかるかと言われれば、わかりません。
でもまぁ軽いのは良い事ですけどね☆
EOS R50がEOS Kiss M2よりスペックダウンしたところ


では次は新しいEOS R50がEOS Kiss M2に負けている所を挙げていきます
標準レンズが18mmスタートになってしまった

EOS Kiss M2の標準レンズは「15-45mm」であったのが、新しいEOS R50のキットレンズはなんと「18-45mm」と大きくスペックダウンしてしまいました。
広角側が15mmと18mmでは撮れる範囲が大きく変わりますので、特に風景メインの人にとっては痛い変更だと思います。


上の二枚を比べると、下のEOS Kiss M2の方が「広く」撮れているのがわかるでしょうか。
これは遠景なので「たったこれだけの違いか」と思うかもしれませんが、下から見上げるようなアングルや室内などではこの差はかなり大きくわかるものになります。
ひょっとすると近い将来安価な「10-18mmのRF版」のようなものが計画されていて、それを買って欲しいのかもしれませんが、15mmからの標準レンズはとても使い勝手が良かっただけに残念です。

正直今時18mmスタートは結構時代遅れ感がありますね・・・
センサーのセルフクリーニング機能がなくなってしまった

これもEOS Kiss M2に比べて結構大きな「負け」ポイントですが、新しいEOS R50はセンサーのゴミを自動で落とすセルフクリーニング機能が省略されました。
長年デジタル一眼には当然のように搭載されてきた機能なので、無くなると聞いた時はびっくりしましたが、コストダウンのためには致し方ない所なのでしょう。
ただ、落ち着いて考えてみると、EOS R50を使うようなエントリー層はセンサーダストが影響するほど絞り込むことはあまりないと思うので、思ったより心配はいらないのかもしれませんね。

クリーニング機能がなくなっちゃたら、センサーにゴミが着いた時どうしたらいいんだろう

「ブロワー」で一吹きすれば大抵のチリやホコリは飛ばせるので、手間ですが心配するようなことではありませんよ
RAWでの連続撮影枚数(バッファ)がちょっとだけ少なくなった

これはちょっと不思議な所なのですが、新しいEOS R50はEOS Kiss M2に比べてRAW連写時の撮影可能枚数が「10枚→7枚」に落ちてしまいました。
何が不思議かというと、同じ連写でもJPGの場合は連写時の撮影可能枚数は「36枚→42枚」に僅かですが増えているので、バッファそのものが減ったわけではないように思うからです。
中級者になる頃にはRAW現像をする人も増えると思いますが、ただでさえ少ないバッファがさらに減ったとなると、結構残念な変更ですね。
EOS R50の残念ポイント


ではさらに、個人的に感じるEOS R50の改善して欲しいポイントを挙げていきたいと思います
もはや意地なのか?「1ダイヤル仕様」なので中級者の2台持ちには不向き

これはEOS Kiss M2の時から感じていた事ですが、キャノンは伝統的にKissシリーズは1ダイヤルと決めていたような節があります。
確かに初心者用モデルに2ダイヤルはちょっと過剰という考えもわからなくはありません。
ですが、ソニーのα6400や富士フィルムのX-S10といった競合機は既に全て2ダイヤルとなっていることを考えると、EOS R50の1ダイヤル仕様は非常にもったいない感じがしてしまうんですよね。


露出補正の際の操作が他のRシリーズのカメラと違うので、サブ機としての導入がしづらいんですよね

さすがにプロとかの人はサブ機でももうちょっといいカメラ買うんじゃないかな
同じRFシリーズのカメラなのにボタン配置に一貫性がない

EOS R50の残念ポイントのラストはボタン配置についてです。
このEOS R50の一つ上にEOS R10という機種があり、外見もよく似たカメラなのですが、なぜかボタン配置がガラリと違う所があります。
1ダイヤルなので露出補正関連の操作が違うのは仕方ないとしても、新機種が出る度に電源レバーやダイヤルの仕様、メニューボタンの位置などを毎回変えてきているのには、何か理由があるのでしょうか・・・。

個人的にはR50のように右手だけで操作できるのはとても使いやすいと思うのですが、どちらにしても基本的な操作は統一して欲しいところです
撮影タイプ別:EOS R50がおすすめなのはこんな人


ではここからは新しいEOS R50をおすすめしたい人を考えましょう
「動いているもの」を撮りたい人

新しいEOS R50をおすすめしたい人のNo1は、なんといっても「動くもの」を撮りたい人です。
動くものと言っても、元気なお子さんやペット、飛行機や電車、レースなど色々ありますが、これらは全てEOS R50の「デュアルピクセルCMOS AF II」があればかなりラクにピントを合わせる事ができるでしょう。
子供の運動会やテーマパークのショーなど「遠くのもの」を撮りたい人

次にEOS R50をおすすめしたいのは、お子さんの運動会や部活動、さらにディズニーなどのテーマパークのショーなどちょっと遠くにあるものを撮りたい人です。
EOS R50は「動き物」に強いことに合わせて、(画質が落ちますが)デジタルテレコンも使えるので遠くの被写体を撮るのにもおすすめです。
さらにその気になればEOS Kiss M2にはなかった超望遠レンズもRFマウントにはありますので、将来的にステップアップすることを考えてもEOS R50を選んだ方が良いでしょう。
将来的にレンズを増やしていきたい人

従来機種のEOS Kiss M2はとても良くできたミラーレス一眼ですが、大きな弱点として「交換レンズのラインアップが貧弱」というのがあります。
なんせEF-Mマウントがほとんど発展せず、さらにサードパーティも受け入れていないのか、殆ど種類がありません。
一方でEOS R50は新しいRFマウントなので、交換レンズはこれから拡充される予定なので楽しみにしておきましょう。

将来的にフルサイズにステップアップするかも、という人でもRFマウントなら共用できるので安心ですよ
どうせ買うならちょっと高くても新しいものが良いと思う人

これはもう理屈抜きになると思いますが、「どうせ買うなら新しいものがいい!」という人もいると思います(自分もそうです)。
倍近く値段が違うならともかく、数万円の違いなら新しいものがいいというなら迷わずEOS R50を選びましょう。
撮影タイプ別:EOS Kiss M2がおすすめなのはこんな人


では最後にEOS Kiss M2をおすすめしたい人を考えましょう
風景やスナップメインの人

動き回る子供写真やペット写真、さらに「明瞭度」パラメーターが効果的に使えるポートレートではなく、自然の風景や街スナップなどを主に撮りたい人であれば、EOS Kiss M2はとても合理的な選択肢になり得ます。
そもそも動いていない被写体であれば、そこまでオートフォーカスの性能が求められる訳ではないですし、明るい所であれば純粋な画質そのものがEOS R50とEOS Kiss M2でそれほど大きく違う訳でもありません。
しかも今の所15mmから使えるRFマウントの標準ズームレンズはありませんので、価格なども考慮すれば「敢えてEOS Kiss M2でいく」という選択肢も全然ありだと思います。

特に街スナップなどの場合は広角レンズを結構使うので15mmは魅力ですよ
そこそこの性能でなるべく安く上げたい人

EOS Kiss M2をおすすめしたい人の次は、なるべく安く済ませたい人です。
当然のことならがEOS R50は新しい機種なのでEOS Kiss M2に比べれば何万円も高いはずです。さらに一定の人がEOS R50に買い替えるなら、EOS Kiss M2の良質な中古も市場に多く出回るかもしれません。
新しいEOS R50と比較すると少々分が悪いEOS Kiss M2ですが、当然悪いカメラではなく十分に高性能なので、ある程度見切りをつけて安くなった(もしくは中古の)EOS Kiss M2で行く!と考える方が本当は賢いのかもしれません。

確かに今まではみんなEOS Kiss M2で凄いキレイな写真を撮ってたんだもんね・・・
まとめ:性能差はかなりのもの、高く売れるなら買い替えもあり

いかがだったでしょうか?そもそもEOS Kiss M2が出た時、「先代のEOS Kiss Mからあまり変わっていない」と言われていたので、実質5年ぶりぐらいのモデルチェンジと言えるのかもしれません。
もしこれからカメラを始めるのであれば、正直EOS R50一択のように感じますし、もしEOS Kiss M2を持っている人がEOS R50が気になっているのであれば、買換えても損はないように思います。
ですが、当然のことながらEOS Kiss M2だとダメな訳ではないので、このあたりは撮影スタイルや好み、また予算と相談しながら決めることになるでしょう。
この記事が皆さんの参考になれば嬉しく思います。最後まで読んで下さってありがとうございました。
*各ショップの最新価格をチェックしよう!
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