EOS Kiss M2って前モデルとほとんど変わらないですよね?買うなら前モデルの方がお得じゃないですか?
確かに基本スペックは同じですからね。どのあたりが変わったのか比べてみましょう
大ヒットミラーレス一眼の「EOS Kiss M」と全く同じ見た目で登場した「EOS Kiss M2」
あまりにも見た目が同じなので、「名前変えただけで中身おんなじじゃないの??」と思いますよね!
これからミラーレス一眼を買おうと思っている人にとってはモデルチェンジ後の「EOS Kiss M2」か、それとも安くなっている前モデルの「EOS Kiss M」か迷うところだと思います。
名前が変わっただけで同じ性能だったら損した気分になっちゃう
この記事では現行のEOS Kiss M2を、発売日に購入して1年間じっくりと使用した感想を含めて詳細にレビューしていきたいと思います。
さらに以前に購入して使っていた前モデルのEOS Kiss Mと比較し、カタログやスペックだけではわからない違いを使用者の目線で詳細に検証します。
「せっかくだから新しいEOS Kiss M2を買おう」と思っている人にも、「安くなっているEOS Kiss Mを買おう」と思っている人どちらにも役立つ情報になっていますので是非最後までご覧ください☆
EOS Kiss MもEOS Kiss M2も自費で購入して両方1年以上使ってからのレビューですよ☆
- 結論:見た目も画質もそんなに変わらない、でも中身は結構新しくなっている
- EOS Kiss M2とEOS Kiss Mの「はっきりとわかる」違い
- EOS Kiss M2とEOS Kiss Mの「意識したらわかる」違い
- EOS Kiss M2とEOS Kiss Mの「ほとんどわからない」違い
- EOS Kiss M2がEOS Kiss Mよりスペックダウンしたところ
- EOS Kiss M2がEOS Kiss Mから引き継いでいる高い基本性能
- EOS Kiss M2のEOS Kiss Mから改善されなかった残念ポイント
- EOS Kiss M2とEOS Kiss Mのスペックの違い
- EOS Kiss M2の作例
- まとめ:EOS Kiss M2は正常進化モデルほとんどの人は新しいEOS Kiss M2がおすすめ!
結論:見た目も画質もそんなに変わらない、でも中身は結構新しくなっている
まずは作例から
結論から言うと、「EOS Kiss M2」と「EOS Kiss M」は「同じと言えば同じ」で「違うと言えば違う」ということになると思います。
まず画質に関しては全く同じで、詳しくは後述しますが特に風景などは「EOS Kiss M2」は前モデルの「EOS Kiss M」に対して1ミリのアドバンテージも感じません。
但し、その他の機能面では大幅にバージョンアップされており、AF(オートフォーカス)やスマホとの接続に関しては別モデル並みの進化を遂げています。
これから詳しく検証していきますが、個人的にはこれから買うなら多少の価格差を考慮しても、新しい「EOS Kiss M2」の方がおすすめだと思います。
この記事の下の方にさらに作例を載せていますので、良かったら見て行って下さいね☆
EOS Kiss M2とEOS Kiss Mの「はっきりとわかる」違い
では最初に機能の向上がはっきりと感じられる点から見てみましょう
「EOS Kiss M2はEOS Kiss Mの型番を変えただけのマイナーチェンジ版」と思っている人も多いかもしれませんが、実際に使い比べてみると両者のはっきりとした違いを実感することができます。
ではまず最初に、このEOS Kiss M2とEOS Kiss Mのはっきりと体感できる違いについて見てみましょう。
瞳AFがサーボ対応になって動く子供が撮りやすくなった
瞳に自動でピントを合わせてくれる「瞳AF」がさらにパワーアップしましたよ。従来は止まっている人だけだったのが、EOS Kiss M2では「動いている人の瞳」も追いかけてくれるようになりました
子供はじっとしていませんからね!これは助かります
従来の「EOS Kiss M」にも人の目を自動的に検出してピントを合わせる「瞳AF」が搭載されています。
といっても実はEOS Kiss Mの「瞳AF」は前後に動いている被写体にピントを合わせ続ける「サーボAF」には非対応でした。
ですから前後に動いている人の目にピントを合わせる場合は、相手に止まってもらうか、もしくは「瞳AF」をあきらめ、自動顔認識で顔全体にピントを合わせるしかありませんでした。
しかし新しい「EOS Kiss M2」では「瞳AF」と、前後に動いている被写体を自動的に追尾する「サーボAF」が同時に使用できるようになっています。
上の画像は前モデルの「EOS Kiss M」のメニュー画面ですが、「AF動作」を「SERVO AF」にしていると、「瞳AF」が「しない」でグレー表示され、「する」にできないようになっています。
続いて新しい「EOS Kiss M2」ですが、こちらは「AF動作」が「SERVO AF」でも「瞳検出」(名前が少し変わりましたが同じ機能です)を「する」にできますね。
このバージョンアップによって、動き回る子供を追いかけながらシャッターチャンスを待ったり、ポートレートでも相手にいちいち止まってもらうことなく、自然な動きの中からベストなショットを狙えるようになりました。
ここは子供の成長記録や、家族や友達のポートレートをプロっぽい感じで撮りたい人は正直買い替えてもいいぐらいの違いがあると感じます。
後述しますが前モデルのEOS Kiss Mの瞳AFは検出精度もあまり良くなかったので、ここは全くの別物と呼べるぐらいに進化しましたね
瞳AFの検出精度向上
さらに「瞳AF」の精度が向上したのでより遠い所からでも「瞳AF」が作動するようになりました
人や家族をメインに撮る人には嬉しいですね
先ほどの瞳AFのサーボ対応に加えて大きくバージョンアップされたのがこの「瞳AFの検出精度」です。
従来の「EOS Kiss M」では正直かなり顔に近づかないと瞳AFが作動しませんでした。
その点新しい「EOS Kiss M2」ではかなり遠くからでも人の目を認識してくれるようになっています。
いわゆる「ドアップ」でないと瞳AFが作動しない前モデルの「EOS Kiss M」に対して、「EOS Kiss M2」ではほぼ全身が収まる位に引いて撮っても瞳AFがしっかり作動してくれます。
正直なところ全身が収まる位の距離では、従来の顔認識でも瞳AFでもピントはそんなに変わらないんじゃないかとは思います。
しかし、相手との距離が変わってもいちいち顔認識に切り替わらずに追い続けてくれますし、追尾のスピード事態も速くなったので撮りやすさは段違いに向上したと言えるでしょう。
人を撮る時は瞳AFを使うって決めておけるので簡単になりましたね
スポットAFがクイックメニューに追加された
AF枠(ピントがあう□のマーク)の大きさが標準と「小さい□」から選べるようになりました
「スポットAF」とは、AF枠(ピントが合う□)が小さくなり、精密にピントを合わせられるようになる機能のことです。
ただこの「スポットAF」は一長一短で、「スポットAF」設定時はピントの迷いが大きくなったり、ピントの合う速さが遅くなることがあります。
EOS Kiss M2は通常の撮影時は普通のAFで、マクロなど精密なピントが欲しい時にだけAF枠が小さくなる「スポット1点AF」を使用する、といった切り替えができるようになりました。
実は前モデルの「EOS Kiss M」もこの小さいAF枠を使うことは出来ましたが、ピント精度が目に見えて悪くなる上にその設定がメインメニューの中にしかなく、あまり便利な物ではありませんでした。
上は前モデルの「EOS Kiss M」の設定メニューですが、撮影中に手軽に変更できるクイックメニューには「スポット1点AF」は用意されておらず、メインメニューの中で「AFフレームサイズ」が設定できます。
前モデルの「EOS Kiss M」にも「スポットAF」があったんですね、知りませんでした
「AFフレームサイズ 小」という名前であるにはあったんですが、オンオフ設定をメインメニューから変更する必要があったので、あまり使うことはなかったかもしれませんね
特に花を撮る機会が多い人はこの1点スポットAFの切り替えを使いこなすと、思い通りにピントを合わせる事ができるようになりますよ。
花をアップで撮るときに、雄しべの先に精密にピントを合わせる時など「スポットAF」にすぐに切り替えられるのは便利ですね
タップAF対応で任意の人を選べるようになった
顔認識って便利ですけど、たくさん人がいると違う人の顔にピントが合っちゃったりするんですよねぇ
一度違う人にピントが合うとなかなか離れなくて苦労しますよね!でも新しい「EOS Kiss M2」ではそこも改善されましたよ
最新の「瞳AF」や「顔認証AF」は優秀ですが、画面内に複数の人が居る場合に「誰にピントを合わせたいのか」までは勝手には判断してくれません。
そのため、写り込んだ第三者を顔認証してしまい、肝心のモデルになかなかピントを合わせられないということが起きることがあります。
新しい「EOS Kiss M2」はこのようなシチュエーションでも即座に狙った人にピントを合わせられるようになりました。
通称「タップAF」が搭載され、画面内に複数の人が居る場合に液晶画面をタップすることで、ピントを合わせる人が順番に切り替わり、任意に選ぶことができます。
ただ一つ残念なのが、この「タップAF」がファインダーを覗きながらAF枠を移動できる「タッチ&ドラッグAF」と排他使用、つまり同時に使用できないという点です。
自分はほぼ100%タッチ&ドラッグ機能を使うので、実質はこのタップAFが使えません。
もちろんタッチ&ドラッグ機能でもAF枠をピントを合わせたい顔に合わせればそちらにAFがロックされるのですが、タップの方が早いのでできればそっちが使いたいです。
これはインターフェースの問題なので、キヤノンの今後のバージョンアップに期待したいと思います。
マルチペアリング対応で複数の機器との接続が簡単に
マルチペアリング?って何ですか??
スマホとタブレット、のように複数のデバイスとの接続を簡単に切り替えられる機能のことですよ
個人的に今回のモデルチェンジの一番のポイントはこの「マルチペアリング対応」だと感じています。
前モデルの「EOS Kiss M」はスマホに画像を転送するための設定がお世辞にもわかりやすいとは言えませんでした。
上は「EOS Kiss M」のBluetooth設定画面ですが、なぜ「ペアリング」が押せないのかわからなくて四苦八苦した人は多いのではないでしょうか。
前モデルの「EOS Kiss M」はそもそもカメラ本体に登録できるスマホの台数が「1台のみ」で、しかも一度ペアリングすると設定が保存され、それ以降新たなペアリングができなくなる仕様でした。(上の画像はその状態)
スマホを機種変更するなど新たなデバイスとペアリングしたい場合、上書きはできず手動でペアリング設定を消去する必要があり、これが非常にわかりずらく初心者泣かせだったと思います。
Bluetoothなどに慣れている人にとっては当たり前でも、機械ものが苦手な人にはちょっと不親切な仕様だったと思います
新しい「EOS Kiss M2」はここが改善され、最大10台までスマホやタブレットのペアリング設定を保存できるようになりました。
つまり「自分用のスマホと家族共用のタブレット」や「自分と家族のスマホ」といった複数台のデバイスを簡単に切り替えながら画像を転送することが可能になりました。
複数のペアリング情報を保存できるようになったおかげで、「以前に別のスマホでペアリングしたことを忘れていていざ自分のスマホでペアリングしようと思ったらできなくて途方に暮れる問題」も発生することは無くなるでしょう。
個人的にはここはかなり大きな改善だと思いますが、不思議とカタログにもHPにも特に宣伝されていないんですよね
EOS Kiss M2とEOS Kiss Mの「意識したらわかる」違い
では次にぱっと見は違いが分からないけど、じっくりと使えばわかる違いを上げてみましょう
ここまで「誰でもはっきりとわかる違い」を見てきましたが、他にも「言われたらわかる」程度の違いも結構あります。
ただ、そんなわずかな違いでも積み重なれば使いやすさの面では大きな違いとなります。
ではここからは、ぱっと見は気づかないものの言われたら確かに違うEOS Kiss M2とEOS Kiss Mの違いを見てみましょう。
顔認識、瞳AFの追尾性能の向上
カメラの顔認識って便利ですけど、相手の動きが速いと追いきれないことがあります
EOS Kiss M2ではそのあたりの性能も向上していますよ
ここでも最初はAF関連です。従来の「EOS Kiss M」では顔認証された被写体が縦横に動いた時に「少し遅れながらAF枠が追いかけていく」、という感じでした。
新しい「EOS Kiss M2」はこの「追いかけ速度」が早くなり、かなり遅れずについていけるようになっています。
もちろん被写体の動くスピードによってはAF枠が離されてしまうこともありますが、たいていすぐに追いつくので、余程の動きでないと外すことはないように思います。
動き回るお子さんを撮る方には嬉しい進化ですよね
ファインダーが有機ELになってちょっとだけ見やすくなった
なんとなくですが、ファインダーを覗いた時の見える感じが違う気がします
よく気が付きましたね!EOS Kiss M2はファインダーの液晶に有機ELが使われているので、より自然に見えるようになりました
これは2台を交互に見比べないとなかなか気が付かない点かもしれませんが、新しい「EOS Kiss M2」の方がファインダーの見え方が自然になっています。
当初気のせいかと思っていましたが、HPのカタログをよく見るとEOS Kiss M2には「OLED」(有機EL)の文字が・・・
前モデルの「EOS Kiss M」には「OLED」との記載はないので、新たに有機ELを採用したということだと思うのですが、特にその辺を強調はされていないんですよね。
マルチペアリング対応についてもそうですが、結構なバージョンアップなのでもっと宣伝したらいいと思うんですがどうでしょうか。
設定メニューがより洗練され使いやすく
メニューの配置が若干変わりましたね
そうなんです。特にスマホとの無線接続設定の項目が独立したのは大正解だと思います
かなり地味な変更ですが、確実に改善されたのがこのメインメニューの配置の調整、変更です。
一例を挙げてみましょう。前モデルである「EOS Kiss M」のWi-fi設定のメニューを比べてみます。
上のように前モデルの「EOS Kiss M」ではスマホとの接続関連のメニューは「機能設定」のタブの中に「無線通信の設定」として他の設定と並んで存在しています。
非常に細かい点ですが、ここも新しい「EOS Kiss M2」では変更が加えられています。
「EOS Kiss M2」ではスマホとの接続関連のメニューは上のように「無線通信設定」の一つのタブに集約されました。
他にも細かく移動されている項目も多く、ユーザーの使い勝手を考えて改善してくるところに好感が持てますね。
設定メニューなどは使い勝手に直結する部分なので、こういう地味なところをきちんと検証して改善しているメーカーの姿勢には好印象が持てます
SNS投稿用に縦動画に対応
従来の「EOS Kiss M」では縦位置で動画を撮ってもスマホに転送したら横向きで再生されていました。
新しい「EOS Kiss M2」では動画にも縦位置情報が付加されるようになり、縦位置で撮った動画はスマホに転送しても縦長で再生されるようになりました。
これによってYoutubeやTiktok用の動画が撮りやすくなったと感じる人も多いのではないでしょうか。(自分は縦位置で動画撮ることないのでよくわかりませんが・・・)
EOS Kiss M2とEOS Kiss Mの「ほとんどわからない」違い
では次に、二つの機種を実際に使用してみて、どうしても違いを感じられなかったところを挙げてみます
ここまででEOS Kiss M2とEOS Kiss Mの体感できる違いについて見てきました。
でも、この2機種にはほとんど、というより全く違いが体感できない点も結構あります。
ではここからはEOS Kiss M2とEOS Kiss Mの変わらない点、特に個人的に「ここの進化を期待して買うとがっかりするよ!」と感じた点を見ていきたいと思います。
両者の画質に違いはない
やっぱり新しくなった分画質も綺麗になったんじゃないですか?
EOS Kiss M2もEOS Kiss Mもスペック上では同じ画素数、同じ画像エンジンですからね。少なくとも僕には画質の違いは感じられませんね・・・
画質、と一言でいっても色々な意味がありますが同じ条件できちんと撮れた写真に関しては、EOS Kiss M2もEOS Kiss Mも全く違いを感じませんでした。
あえて「きちんと撮れた」としているのは、前述したとおりAF(オートフォーカス、自動ピント合わせ)に関しては新しい「EOS Kiss M2」の方が洗練されているので、「微妙にピンボケしていてすっきりしていない」などは 「EOS Kiss M2」 の方が少なくなると思います。
ただきちんと撮れてしまえば、画質に関してどちらが綺麗とかそういった差は感じません。
遠景中心といった静物かつピントの差が出にくい写真が多い人にはこの二機種は難しい選択になるかもしれません。
まぁ正直画質の違いとか言われてもわからないんだけどね・・・
バッテリーの持ちもほとんど同じ
新しいEOS Kiss M2の方がカタログ上の撮影可能枚数が増えています
ぱっと見そう見えますが、実際にはほとんど変わりません
キヤノン公式HPで撮影可能枚数のカタログスペック比較すると、前モデルの「EOS Kiss M」の235枚に対して、新しい「EOS Kiss M2」では250枚に増えています。
ぱっと見増えているようにも見えますが、よく見ると「EOS Kiss M2」の方は「撮影画面表示設定」(フレームレートの事だと思われます)のデフォルトが「なめらかさ優先」から「省電力優先」に変更されています。
上は前モデルの「EOS Kiss M」の表示設定の項目ですが、デフォルトで「なめらかさ優先」となっています。
対して新しい「EOS Kiss M2」では同じ項目のデフォルトが「省電力優先」に変更されています。
つまり初期設定で省電力がオンになっているので撮影枚数が増えるのもあたりまえということです。これはちょっとイカサマっぽくて嫌ですね・・・。
ただ、正直バッテリーの持ちに関してはこの「撮影画面表示設定」よりも、「こまめに電源を切る」、とか「ファインダーを覗きながら悩まない」といった「撮り方」の方が大きく影響するように思います。
どちらもテンポよく撮れば500枚以上撮れることも多いですし、のんびり撮って100枚ちょっとでバッテリーが切れることもあるので、違いが多少あるとしても誤差の範囲だと思います。
バッテリーの持ちを気にしながら撮るよりも、予備バッテリーを一つ買っておく方が安心できるので絶対おすすめですよ☆
暗い所でのAF性能はスペックは違うが実際は違いがわからない
非常に細かい点ですが、カタログ上「AFの輝度範囲」が「EOS Kiss M2」では-2から-4にスペックアップしています。
これは簡単に言うとAF(オートフォーカス、自動ピント合わせ)できる限界がさらに暗くなったということを意味しています。
それで、暗い部屋で二台で撮り比べてどれくらいの進化したのか実験しようと思ったのですが・・・どれだけ試しても新旧二台の間に有意な差を見出すことはできませんでした。
結局のところ、この辺の数値は実験室で最適な環境を作ったテストでの数値であって、普通の人が付属の標準レンズを使ってこの性能差を体感することは難しいのではと思います。
残念ながらスペック通り「EOS Kiss M2」の方が暗い所でもピントが合いやすい、とはなりませんでした
当然見た目は全く同じ
「EOS Kiss M2」と「EOS Kiss M」の見た目に関しては「ほとんど同じ」です。
「ほとんど」というからには違いがあるのかと思われるかもしれませんが、ロゴだけの違いなので実質は違いはないといえるでしょう。
このようにこの二機種の外観は「ほぼ同じ」と言えます。「名前を変えただけの中身は同じ機種」と揶揄されるのも無理もないような気がしますね・・・。
ぱっと見どころかよく見ても、見た目でこの二機種を見分けることはできないでしょう。
重量も全く同じ
新しい方が軽くなったんですか?
カタログ上はそうですが、体感できる違いではありませんよ
カタログ上では新しい「EOS Kiss M2」の方が「EOS Kiss M」と比べて1gだけ軽くなっています。(ホワイトモデルは3g)
なぜ軽くなったのかは不明ですが、後述するレスされたNFCのチップなどの分なのかもしれません。
ただ当然のこととして、たった1gや3gの違いを体感できるはずもないので、重さに関しても全く同じだということができるでしょう
EOS Kiss M2がEOS Kiss Mよりスペックダウンしたところ
え!?新しくなったのに機能が下がったところがあるんですか??
はい、EOS Kiss M2になっていくつか省略されたところも実はあります。でもそんなに影響のある機能ではないので心配はいりませんよ
普通モデルチェンジと聞くと性能が向上されたり機能が追加されたりをイメージすると思います。
しかし、その陰で不人気だったりあまり使われなかったりする機能がこっそり削除されたりスペックダウンされたりすることもよくあることです。
もちろんメーカーは「〇○××の機能は無くなりました!!」とは言わない場合が多いですよね。
では、ここからは自分が気づいた範囲で、EOS Kiss M2のEOS Kiss Mより削除された機能を見ていきたいと思います。
カメラ内RAW現像ができなくなった
RAW現像・・・ってあの後からPCで色とか調整できるアレですよね??したことないのでわかりませんが、カメラ本体でもするものなんですか?
「時々する人がいる」程度で、あまり一般的ではないですね。特にこのクラスのカメラでは使われない機能だったんだと思います
先代の「EOS Kiss M」はRAW形式で撮影された画像をPCなどを使わずにボディ本体だけでRAW現像ができましたが、この機能は「EOS Kiss M2」ではカットされています。
恐らくキヤノンはエントリークラスのカメラを買う層にはRAW現像は不要だと判断したのだと思いますが、自分もそれはその通りだと感じます。
中級者以上でRAW現像をする人はPCの環境を整えていると思うので、この「カメラ内RAW現像」はなくても困ることはない機能だと思います。
もちろんカメラの使い方は人それぞれなので、「カメラだけでRAW現像できないと困る!」という人は先代の「EOS Kiss M」を買った方が良いでしょう。
個人的にはあの小さいカメラの液晶画面でRAW現像したいと思ったことはないので、特に無くても心配いらない機能だと思いますよ
NFCタッチができなくなった
もう一つ「EOS Kiss M」からカットされた機能がこの「NFCタッチ」機能です。
これは対応するスマホをかざすだけでWi-fiの設定ができるというもので、いちいちSSIDやパスを交換する必要がない便利なものでした。
ただこの機能も正直あまり使っているという話を聞くことがない機能ではありました。
なぜなら「EOS Kiss M」はBluetoothに対応しており、ペアリングさえ済ませておけばスマホアプリからいつでも自動で接続することができます。
しかも新しい「EOS Kiss M2」ではペアリング情報が最大10台分まで記憶できるようになり、さらに便利になっています。
メーカーとしてもあまり使われていないと判断して機能を削除したのかもしれませんね。
スマホとの接続は断然Bluetoothがおすすめです
EOS Kiss M2がEOS Kiss Mから引き継いでいる高い基本性能
二機種の違いはだいたいわかりましたけど、肝心のカメラとしての性能はどうなんでしょう?
最初にも述べましたが、基本的に「EOS Kiss M2」は前モデルである「EOS Kiss M」の多くの部分をそのまま引き継いでいます。
先代の「EOS Kiss M」ミラーレス一眼としてもともと完成度が高い機種でした。
新製品としてのインパクトやカタログ上の派手さには欠けるかもしれませんが、これからカメラを始める人や、中級者のサブ機としても十分な性能を持っています。
ではここからは、EOS Kiss M2とEOS Kiss Mの共通のカメラとしての基本性能を見ていきましょう
2410万画素大型APS-Cサイズセンサー&DIGIC 8で高画質
画素数って多い方がいいんですよね?2410万画素ってどうなんでしょう?
誤解されがちな点ですが画素数は決して多ければいいというものではありませんよ。
「EOS Kiss M2」には従来と同じく2410万画素のAPS-Cセンサーが使われています。
確かに3000万画素や4000万画素といった、もっと大きい画素数を持つミラーレス一眼もあります。
ただし、画素数が大きくなると画像一枚当たりのファイルサイズが大きくなったり、それだけの画素数を生かすための高性能レンズが必要なるなど、デメリットも出てきます。
ですからEOS Kiss M2/Mの2410万画素というのは決して少なすぎない画素数だと言えます。
一般的に1000万画素あればA4やA3サイズの印刷が可能とされているので、2410万画素で少ないと困ることはまずないですよ
「シーンインテリジェントオート」で初めてでもシャッターを押すだけで大丈夫!
機械ものって苦手なんだけど使えるかなぁ・・・
Kissシリーズは昔から初めてでも大丈夫なように設計されていますよ
カメラを使いこなすには「絞り」や「露出」といった専門的な知識を理解することが不可欠です。
でも最初からそんなことわかる訳ありませんよね?
「EOS Kiss M2」にはそういった専門的な知識がゼロでも大丈夫なように「押すだけ」で撮れる「シーンインテリジェントオート」機能が搭載されています。
このモードに合わせておけば、初心者でもカメラを向けただけで被写体をカメラが自動的に認識し、最適な設定にしてくれます。
さらに「背景ぼかし」や「明るさ」といったわかりやすい言葉で絞りや露出を設定することができるので、これからカメラを学んでゆく初心者の方にも無理なく一眼の高画質を楽しむことができます☆
難しい専門用語じゃないからわかりやすいですね☆
「スペシャルシーン」モードで撮りたいものに応じた設定が簡単に選べる
先ほどのシーンインテリジェントオートでもいいですが、このスペシャルシーンモードを使えばもっと撮りたい物に応じた設定をカメラがしてくれます
これだけあれば撮りたいものが大体そろっていますね
「シーンインテリジェントオート」よりももう少しカメラに自分の意図を伝えたい!
そういった声にこたえるのがこの「スペシャルシーン」モードです。
基本的に「押すだけで撮れる」簡単さはそのままに、撮りたい被写体のシーンを選択することで、より撮りたいものに最適な設定をカメラがしてくれます。
例えば「スポーツ」ならシャッタースピードが高めに、「ポートレート」なら絞りを開けて背景をぼかしつつ肌色の発色を自然に、「風景」なら緑や青がより鮮明に発色されるように設定されます。
この辺りを使い分けるだけでもかなり本格的な写真が撮れますよ
マウントアダプターを使えばキヤノン一眼レフ用レンズが使える
ネットで見たんですけど、Mシリーズって使えるレンズが少ないんですよね?
キヤノン純正マウントアダプターを使えばキヤノンの豊富な一眼レフ用レンズの「EFシリーズ」が使えるようになりますよ
ミラーレス一眼の最大の魅力はやはり「レンズ交換」ができる所でしょう。
「EOS Kiss M2」を含む「EOS Mシリーズ」の交換レンズは7種類(2022年2月現在)と決して多くはありませんが、別売ではありますがマウントアダプター「EF-EOS M」を使えば一眼レフ用の「EFシリーズ」レンズが使えるようになります。
1万円台で買える単焦点の「EF50mm F1.8 STM」やちょっと高いですが高画質なプロ向けの「Lレンズ」など、一眼レフに長年力を入れてきたキヤノンの豊富なレンズが使えるのは心強いことですね。
キヤノンの一眼レフKissからの移行の場合は、このマウントアダプターがあればいいかもしれません
EOS Kiss M2のEOS Kiss Mから改善されなかった残念ポイント
ではここからは先代の「EOS Kiss M」同様にちょっと物足りない部分を見てみましょう
繰り返しになりますが「EOS Kiss M2」は先代の「EOS Kiss M」と同じ部分がたくさんあります。
その中には当然良い部分が多いのですが、中には「次のモデルチェンジで改善されたらなぁ・・・」と感じる点もありました。
もちろん、「瞳AFのサーボ対応」や「Bluetoothのマルチペアリング対応」など、順当にバージョンアップした点が多いのですが、中にはそのままの機能も残念ながらあります。
ではここからは忖度無しで「EOS Kiss M2」になっても改善されていない残念ポイントを見てみましょう
電子ダイヤルが1つなので露出補正がやりにくい
電子ダイヤルとは、撮影中に「絞り」や「シャッタースピード」「露出補正」といったパラメーターをクイックに変更するためのダイヤルです。
最近の中級者向けのミラーレス一眼なら2つ、上級者向けなら3つ以上もダイヤルが装備されている場合もありますが、この「EOS Kiss M2」はエントリーモデルなので電子ダイヤルは1つだけです。
ダイヤルが2つあれば例えばAモードでF値と露出補正を別々に割り当てて操作できるのでとても便利です。
しかしダイヤルが1つだけのEOS Kiss M2では、切り替えボタンでダイヤルの機能を切り替えながら使う必要があり、他の性能がミドルクラス並みに高いだけに残念に感じます。
あくまでもエントリークラスのミラーレス一眼であることを考えると、当然の仕様ではあるんですけどね・・・
サイレント撮影はフルオートのみなので使えない
サイレントシャッターもついているんですね、何か使いにくい問題があるんですか?
確かにサイレントシャッター機能はあるにはあるのですが、中級者以上にはちょっと使えないものなんです
ミラーレス一眼と一眼レフの違いの一つとして、この「サイレントシャッター」の有無があり、「EOS Kiss M2」もこの機能を搭載しています。
ただ、「EOS Kiss M2」のサイレントシャッターはあくまでも「初心者用」で「フルオート撮影」でしか使えない仕様になっています。
つまり「F値」や「ISO感度」といった中級者以上であればあたりまえに設定したいパラメーターを自分で決めることができません。
正直ISO感度すら設定できないようでは、個人的には使える機能とは呼べないと感じます。
室内でオートで撮るとどうしてもISOが6400とかに上がってしまうので、せめてISO感度だけでも設定させてくれたら使えるんですけど・・・
連写のバッファが少なすぎて使えない
「EOS Kiss M2」は先代と同じく1秒間で10コマの高速連写に対応しています。
ここだけ聞くとかなりの高性能なカメラなのですが、通称「バッファ」と呼ばれるSDカードに書き込むまでの間にデータをためておくメモリはあまり大きくありません。
これはどういうことかと言うと、連写モードでシャッターを押しっぱなしにしてもJPGで約3秒、RAWだとたったの1秒でSD書込み待ち、つまり「打ち止め」となってしまいます。
最新のEOS R6がRAWでも10秒以上撮り続けられることを考えると、エントリークラスとはいえ、もうちょっと撮れたらなぁと感じます。
動きの速い物を撮る場合に、たったの1秒だと肝心なタイミングでバッファ切れを起こしやすいので注意です。せめて2秒あれば・・・
4K動画が24pでしか撮れない
これも先代の変わらない点ですが、4K動画を撮れるのはいいのですがフレームレートが最大24pまでとなっています。
24pはシネマのフレームレートと同じなので、雰囲気のある動画が撮れるのは良いのですが、通常テレビ放送では30pが使われているのでせめて30pも撮れるようにして欲しい所です。
ただ一般的にはまだまだ4K動画のメリットを生かせる人は多くないので、普通の人であれば4K24pもしくはフルHD30pが撮れれば十分かもしれません。
確かに4Kが必須のクリエイターさんとかはEOS Kiss で撮ったりしないよね?
EOS Kiss M2とEOS Kiss Mのスペックの違い
EOS Kiss M2 | EOS Kiss M | |
発売日 | 2020/11 | 2018/3 |
基本性能 | ||
画素数 | 約2410万画素 | 約2410万画素 |
センサーサイズ | APS-C | APS-C |
セルフクリーニング | 有り | 有り |
映像エンジン | DIGIC 8 | DIGIC 8 |
SDカード | SDXC対応 UHS-I対応 |
SDXC対応 UHS-I対応 |
スロット数 | 1 | 1 |
記録画素数 | 最大6000×4000 | 最大6000×4000 |
ファイル形式 | JPEG,RAW(14bit CR3) | JPEG,RAW(14bit CR3) |
RAW+JPEG同時記録 | 可能 | 可能 |
カメラ内RAW現像 | 非対応 | 対応 |
ホワイトバランス種類 | オート(雰囲気優先) オート(ホワイト優先) 太陽光 日陰 くもり 白熱電球 白色蛍光灯 ストロボ 指定 (2500-10000K) マニュアル |
オート(雰囲気優先) オート(ホワイト優先) 太陽光 日陰 くもり 白熱電球 白色蛍光灯 ストロボ 指定 (2500-10000K) マニュアル |
動画関連性能 | ||
4K動画 | 25.0/23.98p | 25.0/23.98p |
縦位置情報付加 | 可能 | 不可 |
シャッター関連性能 | ||
最大シャッター速度 | 1/4000-30秒 バルブ | 1/4000-30秒 バルブ |
ストロボ同調速度 | 1/200 | 1/200 |
連続撮影速度 | ワンショット:最大10コマ/秒 サーボ:最大7.4コマ/秒 |
ワンショット:最大10コマ/秒 サーボ:最大7.4コマ/秒 |
連続撮影可能枚数 | JPEG:約36枚 RAW:約10枚 JPEG+RAW:約10枚 C-RAW:約16枚 JPEG+C-RAW:約15枚 |
JPEG:約33枚 RAW:約10枚 JPEG+RAW:約10枚 C-RAW:約16枚 JPEG+C-RAW:約15枚 |
露出関連性能 | ||
露出補正 | 1/3ステップ 3段 | 1/3ステップ 3段 |
ISO感度 | 100-25600 (拡張51200) |
100-25600 (拡張51200) |
AF関連性能 | ||
スポット1点AF | 有り | メニューより切り替え |
輝度範囲 | -4~18 | -2~18 |
瞳AF | 可能 | 可能 (サーボ不可) |
タップAF | 有り | 無し |
液晶モニター性能 | ||
大きさ | 3.0型 | 3.0型 |
ドット数 | 104万ドット | 104万ドット |
バリアングル対応 | 対応 | 対応 |
ワイヤレス性能 | ||
Wi-fi | 11b,11g,11n | 11b,11g,11n |
NFCタッチ | 非対応 | 対応 |
Bluetooth | 対応 | 対応 |
最大ペアリング登録台数 | 10台 | 1台 |
バッテリー関連 | ||
バッテリー | LP-E12 | LP-E12 |
撮影可能枚数 | 最大250枚 (ファインダー、ストロボ50%) 最大305枚 (ライブビュー、ストロボ50%) *省電力優先 |
最大235枚 (ファインダー、ストロボ50%) 最大235枚 (ライブビュー、ストロボ50%) *なめらかさ優先 |
その他 | ||
重量(本体のみ) | ブラックモデル 350g ホワイトモデル 351g |
ブラックモデル 351g ホワイトモデル 354g |
大きさ | 幅116.3mm 高さ88.1mm 奥行58.7mm |
幅116.3mm 高さ88.1mm 奥行58.7mm |
色が付いている所が両者で違いがあるところです。
こうしてスペックだけで比較してみると確かにあまり派手なモデルチェンジではないと感じるのも無理もない事だと思いますね。
しかし実際に2台を1年以上使い比べた立場で言えば、スペックに現れない部分での違いは大きいと感じますよ。
AF機能の強化などはなかなかスペック表からは分かりませんが、確実に進化していますよ
EOS Kiss M2の作例
まとめ:EOS Kiss M2は正常進化モデルほとんどの人は新しいEOS Kiss M2がおすすめ!
いかがだったでしょうか?それぞれ1年近く使った立場で言わせてもらえば、巷でいわれているほどEOS Kiss M2はマイナーチェンジだとは思いません。
繰り返しにはなりますが、AF機能の強化やマルチペアリング対応などは一度体感してしまうともう前のモデルには戻れないほどの進化を感じます。
もちろん景色メインや静物メインといったEOS Kiss M2の進化があまり魅力的ではない人もいる事でしょう。
必ずしも「新しい方がいい!」という訳でもないので、それぞれが撮りたいものをよく考えて、最善の選択ができれば幸いです。
この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しく思います。最後まで読んで下さってありがとうございました。
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