世界にカメラメーカーっていくつあるか知ってますか?
実は一眼カメラの世界シェアの9割以上は日本メーカーなんです。つまり日本のカメラメーカーを知れば、ほぼ世界中の一眼カメラを知ることになるんです!すごいですね。
今回はその中でもミラーレス一眼を販売している(していた?)7社を紹介したいと思います。それぞれを比較して、自分に合ったカメラのメーカーを見つけてみましょう!
*この記事の内容は2023年に書かれたものですので、それ以降の内容が反映されていないことがあります。さらに、書かれている内容は執筆者個人の意見です。
日本のミラーレスカメラメーカー「ソニー」
ソニーはこんなメーカー
言わずと知れたデジタル機器最大手メーカーであり、世界的なブランド力があります。
光学機器メーカーのイメージはあまりないかもしれませんが、実はコニカミノルタの技術を受け継いでおり、ノウハウが重要なレンズ設計に関しても高い技術力を持っています。
カメラメーカーとしての歴史は浅いですが、ミラーレス一眼に他社に先駆けて注力し、「瞳AF」などの革新的な機能を次々とカメラに搭載することで人気を集め、長年キヤノン、ニコンの2強だったカメラ界の勢力図を一気に塗り替えました。
現在フルサイズカメラでは既に「ソニーとキヤノンの2強」の時代になっており、これからもカメラ界を引っ張っていくことが期待されています。
ちょっと前までは「ミラーレスならソニー」な雰囲気すらありましたね。
ソニーのミラーレスはこんなカメラ
2023年現在ソニーはミラーレス一眼のラインアップとしてフルサイズの「α7、α9」シリーズと、APS-Cの「α6000」シリーズの2シリーズに分けられています。
ちなみにAPS-Cの「α6000」シリーズはボディが箱型でファインダーが端に横についている「レンジファインダー風スタイル」が採用されていて、これはキヤノンやニコンにはない特徴となっています。
他のメーカーのカメラみたいに真ん中が上に膨れていないんだね!
通称「ペンタ部」がない「レンジファインダー風」ですね。クラシックテイストなので好みが分かれる所かもしれませんが、僕は好きです
2023年5月時点でのエントリークラスを受け持つのは2019年に発売された「α6400」です。
2019年発売と少々古くなってきていますが、「瞳AF」や「ピント追従連写」など元々ソニーが得意とする基本性能が高かったので、他社のモデルと比較しても特別古さを感じることはありません。
また、ソニーは動画にも力を入れており、VLOG向けに「ZV-E10」があり、こちらは「α6400」からファインダーと写真撮影機能を多少グレードダウンさせた機種です。
価格的には非常に魅力的な設定になっているので、VLOGユーザーはもちろん「写真用カメラ」としても初心者には十分な性能を持っています。
さらに中級者~上級者向けにフルサイズの「α7」、「α9」シリーズが展開されており、こちらは他社と同じくボディ中央にファインダーがある「普通のスタイル」になっています。
レンズに関しては「Eマウント」を採用していますが、ソニーはシグマやタムロンと積極的に協同しており、比較的安価でバリエーション豊かなレンズラインナップがある点でも、初心者が始めやすいポイントかもしれません。
さらにソニーはドイツの老舗レンズメーカーの「カールツァイス社」と提携しており、一部レンズには「ツァイス」のブランド名が与えられています。
レンズラインナップが非常に多いのもソニーのカメラの魅力ですね
ソニーのミラーレスをおすすめしたいのはこんな人
ソニーのミラーレス一眼をおすすめしたいのは、まずは「これから本格的にカメラを始めたい人」です。
従来のキヤノンやニコンのレンズを持っているとかでなければ、ソニーはレンズラインナップが豊富なので交換レンズも買いやすいですし、さらにα6400などはエントリークラスとはいえ十分なカメラ性能を持っています。
もちろん初心者向けだけでなく、フルサイズミラーレス一眼もかなり豊富なので、ベテラン勢の乗り換え先としてもおすすめです。
結構本気でカメラを始めたい人におすすめしたいですね
日本のミラーレスカメラメーカー「キヤノン」
キヤノンはこんなメーカー
誰もが認めるデジタル一眼業界の最大手メーカーです。
報道の最前線で使われているプロ機から始めて買う入門機まで幅広くラインアップされており、特に初心者向けカメラでは抜群の知名度があります。
一眼レフでは長年トップシェアでしたが、ソニーに比べてミラーレスカメラへの参入のタイミングが遅れ、ミラーレスに限ればソニーにトップの座を明け渡すことになりました。
ですが、2020年に発売された「EOS R5」を筆頭に「R3」「R6」「R7」「R8」「R10」「R50」とキヤノンらしい怒涛のラインナップ攻勢をかけ、再びトップの座を取り戻しつつあります。
プロ機から超入門機まで隙間なくモデルを揃えるのがキヤノンらしいですね
キヤノンのミラーレスはこんなカメラ
2023年現在キヤノンはローエンドのEOS R100からハイアマチュア向けのフルサイズ、さらにAPS-Cの高速連写機であるR7とまさに「隙のないラインナップが展開」されています。
特に最近はEOS R50やEOS R10など他社が撤退しつつある初心者向けのカメラに依然として力をいれていて、昔から変わらず「初めてカメラを買う人が最初に選ぶカメラメーカー」として不動の地位を築いています。
あの白いカメラいいよね!
見た目もキャッチ―ですが、中身も初心者に親切な工夫がしてあります。キヤノンは比較的若い、初めての人向けの製品が本当に上手ですね
2023年にEF-Mマウントだった「EOS Kiss M2」がディスコンになり、EOS R50に代替わりしたことでようやくレンズマウントが「EOS Rマウント」に統一され、上達とともにフルサイズへのステップアップがしやすくなりました。
ただEOS Rマウントはサードパーティ(シグマやタムロン)を受け入れていないため、付属レンズ以外のレンズのラインナップが少なく価格もやや高めのものが中心です。
是非、他社の参入を認めるか、もしくは自社でもっと初心者が気軽に買えるような価格帯のレンズを充実させて欲しいと思います。
EOS R50やR10でカメラを始めて、本格的なレンズを買い足し、最終的にカメラ本体も中級機~にアップグレードする、という人がこれから増えそうです
キヤノンのミラーレスをおすすめしたいのはこんな人
キヤノンのミラーレスがおすすめなのは、まずはなんといっても「子供や家族を撮りたいパパママ層」です。
ダブルズームキットを買っておけば基本的な撮影に困ることは無いですし、特にEOS R50などは写真者向けの機能が充実していて、さらに価格も手ごろなのでおすすめです。
また、その気になればプロ機やプロ用レンズも揃うのがキヤノンの強みです。経験のあるベテランを初め、将来末永くお金をかけながらそのあたりにステップアップしたい人にとってもキヤノンのカメラは魅力的だといえるでしょう。
まぁキヤノンを買っておけば間違いない、みたいな空気ってありますよね
日本のミラーレスカメラメーカー「富士フィルム」
富士フィルムはこんなメーカー
富士フィルムは日本の代表的なカメラフイルムメーカーであるだけでなく、カメラメーカとしても歴史があり、写真とは切っても切れない深い関係にある老舗メーカーです。
写真用フイルムはもちろんの事、インスタントカメラ「チェキ」や「写ルンです」といった数多くのヒット商品を世に送り出してきました。
カメラ販売では苦戦することもありましたが、ミラーレス一眼での独自の高画質路線が成功し、「FIJIFILM Xシリーズ」は生産が追い付かない位の人気シリーズとなっています。
あ!チェキを作っているメーカーなんだね
写ルンですも今またブームですからね。でもミラーレス一眼でもかなり存在感があるメーカーになってきていますよ
富士フィルムのミラーレスはこんなカメラ
ラインアップは一眼レフスタイルの「X-T、X-Hシリーズ」、レンジファインダースタイルのハイエンド「X-pro3」、入門機の「X-Sシリーズ」の3つとなっています。
エントリー向けの「X-Sシリーズ」以外はマニュアルの作法を重視する操作形態を採用しており、使いこなすには少々慣れが必要ですが、それはメーカーの「写真」の伝統に対する強いこだわりの現れであり、人気の理由の一つとなっています。
一方でエントリーモデルの「X-S10」は一般的な電子ダイヤル操作を採用しており、初めての1台でも安心して使うことができるでしょう。
また富士フィルムのカメラの大きな魅力として「フイルムシミュレーション」があり、デジタルでありながら往年のフィルムの風合いを簡単に出すことができます。
個人的には「クラシックネガ」がドンピシャで、本当に「押すだけ」で細かい調整など一切抜きに昔懐かしいフィルムの風合いが再現できるのが驚きです。
カメラのデザインも全般的にレトロテイストを採用しており、フィルムカメラを使っていたベテラン勢から、手軽に「フィルム風」を撮りたい最近の人まで幅広くおすすめしたいカメラです。
富士フィルムのミラーレスをおすすめしたいのはこんな人
富士フィルムのミラーレスカメラをおすすめしたいのは、まずは「フィルムシミュレーション」を使ってフィルムテイストの写真を簡単に撮りたい人です。
さすが長年カメラフィルムを作ってきたメーカーだけあって、この「フィルムシミュレーション」はそこいらのお手軽なフィルターとは一線を画す出来なので、簡単にフィルムっぽい写真を撮りたい人はこの富士フィルム一択になるかもしれません。
さらに富士フィルムは少々マニアック路線なところもあるので、こだわりたいベテラン勢のサブ機やお散歩スナップ機としても大変な人気があります。
メインがキヤノンやソニーの人でも、スナップ用に1台欲しい、富士フィルムはそんな風に思わせてくれるカメラメーカーですね
日本のミラーレスカメラメーカー「ニコン」
ニコンはこんなメーカー
キャノンに次ぐ老舗メーカーであり、キャノンと同じくカメラ業界をけん引してきたカメラ界の重鎮です。
元々軍事用のレンズなどを生産していた歴史があり、今でも製品の精度や頑丈さなどには定評があり、一眼レフではキヤノンに次いでプロカメラマンに使われてきました。
キヤノンと同じくミラーレスへの本格的な参入が遅れ、残念ながらシェアとしては2番手から中盤へと陥落してしまいました。
ニコンはとにかく堅実堅牢なイメージが強い老舗メーカです
ニコンのミラーレスはこんなカメラ
2023年5月の時点でニコンはフルサイズとして「Z5」「Z6II」「Z7II」「Z8」「Z9」、APC-Cとして「Z50」「Z30」「Zfc」という豊富なラインナップを揃えています。
ただニコンはミラーレスへの移行後、以前ほど初心者向けの機種に力を入れておらず、APS-Cのエントリー機種は実質2019年に発売された「Z50」一機種のみであり、往年のニコンを知る人からすればやや寂しい状況です。
一方でフルサイズでありプロ機でもある「Z9」は絶大な支持を集めており、2021年の発売以降順調に売れていることから、ニコンが真剣にミラーレスの開発に力を入れており、さらに性能も他社に後れを取っている訳ではないことの現れだと思います。
確かにあんまり周りの友達でニコン持っている人って見ないかも
主に中級者以上が使うイメージが強いですからね。昔もそうでしたが、ミラーレスになって特にニコンを使っている人を見ると「おっカメラ好きだな!」って感じますね
ニコンのミラーレスをおすすめしたいのはこんな人
ニコンのミラーレスをおすすめしたいのは、以前からニコンを使っていたり、ニコンに愛着がある人です。
さらにキヤノンやソニーといった「みんなが使っている」機種は避けたいという人も、ニコンは安心して使える良い選択肢になるでしょう。
例えば「Zfc」などはクラシックテイストのボディなので、撮る楽しみに加え、所有する喜びも満たしてくれるに違いありません。
日本のミラーレスカメラメーカー「OMシステム(旧オリンパス)」
OMシステム(旧オリンパス)はこんなメーカー
OMシステムは2020年にオリンパスからカメラ事業を引き継いだ比較的新しいカメラメーカーです。
前身となったオリンパスは医療機器メーカーのイメージを持つ方も多いかもしれませんが、じつは光学機器メーカーとしてカメラの設計生産にも深く関わって来ました。
特に1960年代にはフイルムカメラの「PENシリーズ」、1970年代には「OMシリーズ」が大ヒットし、それらを現代のミラーレス一眼として復刻し、そのレトロデザインや小型軽量路線が大ヒットしました。
残念ながらオリンパスとしてはカメラ事業は終了してしまっているので、「オリンパス」のロゴが入ったカメラが消滅するのも時間の問題になっています。
オリンパスのカメラは小型で使いやすかったので事業終了は本当にショックでした
OMシステム(旧オリンパス)のミラーレスはこんなカメラ
OMシステム(旧オリンパス)は極端な高価格帯のモデルではなく、低~中価格帯のラインアップがメインであり、初心者向けの「PENシリーズ」と中上級者向けの「OMシリーズ」の2ラインアップとなっています。
どちらもクラシックカメラ調のデザインを採用しており、特に「PENシリーズ」はカメラ女子ブームの立役者だと言えるでしょう。
一方での上位機種である「O-M1」はプロの使用に耐えうる堅牢な設計が売りで、山岳カメラマンや過酷な環境に赴くネイチャー系カメラマンからも支持されています。
強力なボディ内手振れ補正も有名で、上位機種はなんと2秒や4秒もの手持ち撮影も可能と言われており、入門機からどの機種も初心者が安心して使えるのが魅力です。
機材をなるべく軽くしたい山岳系カメラマンやお散歩カメラなど、一定の根強いニーズがあるみたいですね
OMシステム(旧オリンパス)のミラーレスをおすすめしたいのはこんな人
OMシステム(オリンパス)のミラーレスをおすすめしたいのは、まずはとにかく安くミラーレス一眼を始めたい人です。
旧オリンパスロゴのPENであればキヤノンやソニーと違い、ダブルズームキットでも10万円以下で探すことが十分に可能です。
さらにOM1は登山家などには魅力的な製品だと思いますし、レンズラインナップが豊富な点を生かして、「重いレンズを持ち歩くのはもう嫌だ」というベテラン勢の乗り換え先としてもおすすめです。
マイクロフォーサーズはフルサイズと比べて相当小さく軽く、そして安いのが魅力ですね
日本のミラーレスカメラメーカー「パナソニック」
パナソニックはこんなメーカー
言わずと知れた家電メーカーの巨人ですが、同時に、世界で初めてミラーレス一眼を製品化したメーカーでもあります。
2023年現在パナソニックは2つのレンズマウントを持っており、一つはシグマとライカと共同開発されたフルサイズの「Lマウント」であり、本格的なフルサイズミラーレス一眼の開発販売を行っています。
一方で旧オリンパスと共同開発した「マイクロフォーサーズ」規格のカメラも販売しており、OMシステム(オリンパス)とレンズの互換性があります。
メーカーとして映像機器に力を入れており、その姿勢が反映される形でカメラにも動画機能が充実したモデルが多く存在し、スチルカメラマンだけでなく動画カメラマンからも支持されています。
動画機としては世界的に有名なメーカーですね
パナソニックのミラーレスはこんなカメラ
パナソニックは2019年にライカとシグマと共同で新しい規格である「Sシリーズ」でフルサイズミラーレスに参入し、2023年現在「S1」や「S5」、「S5II」といった本格的なフルサイズ機のラインナップがあります。
マイクロフォーサーズに関してはハイエンドの「G、GHシリーズ」が動画ユーザーに熱烈に支持されています。
一昔前はパナソニックも旧オリンパスと同じく「GX」や「GF」といった初心者向けのエントリー機種を多くラインナップしていましたが、現在はほぼ終息してしまいました。
ドイツのライカ社と提携しており、一部レンズには「ライカ」のブランド名がつけられています。
ちょっと前までは魅力的な初心者向けのミラーレスカメラがたくさんあったのに、全部廃版になってしまって残念です
パナソニックのミラーレスが似合うのはこんな人
パナソニックのミラーレスをおすすめしたいのは、本格的な動画撮影を志向する人です。
マイクロフォーサーズなのでレンズを含めてシステムが小型化できますし、小型のセンサーで「ボケ過ぎない」というのも動画機としては使いやすいということもあるようです。
また、パナソニックはライカブランドもありますので、本格的なライカは手が出なくてもテイストだけでも味わうにはちょうど良いかもしれません。
日本のカメラメーカー「リコー・ペンタックス」
昔から人気のあるカメラメーカーであるペンタックスは、今はリコーの1ブランドとなっています。
実は以前ペンタックスはミラーレスカメラとして、コンパクトカメラ並みに小型軽量な「Qシリーズ」を販売していましたが、残念ながら現在は廃版になっており、2023年現在、一般向けカメラは一眼レフのみのラインアップとなっています。
ペンタックスは現時点でミラーレス一眼に移行する計画はないそうで、引き続き一眼レフの開発販売を続けていくようです。
ペンタックスのミラーレスカメラってあるの??
「昔はあった」のですが、今は一眼レフ1本に絞っていますね。でも、これはこれで凄いことだと思いますよ
リコーペンタックスの凄い所は、何と1970年代から「Kマウント」という一つのマウントを使い続けていて、マニュアル撮影であれば今でも互換性があるところです。
また2022年には「フィルムカメラプロジェクト」として、新たなフィルムカメラの開発販売をスタートすることを発表してカメラファンを沸かせたのは記憶に新しいですね。
一眼レフにしてもフィルムカメラにしても数が売れる商品ではなさそうなので収益的にどうなのか心配ですが、是非他にない孤高のメーカーとしてペンタックスにはこれからも頑張って欲しい所です。
自分は一眼レフには戻る予定がないので、GRを買って応援しようと思います
まとめ:気に入ったメーカーならどこでもOK!
いかがだったでしょうか?駆け足でミラーレス一眼のメーカーを紹介してきましたが、どこも聞いたことがある大手ばかりだと思いませんか?
それもそのはずで、カメラのような光学機器はどこでも簡単に開発できるようなものではなく、長年のノウハウや技術の積み重ねが必要です。
ですから、一眼であれミラーレスであれ、カメラを開発できる日本のメーカーの製品であれば、どれをとっても信頼できると言えるでしょう。
特徴の違いこそあれど極端なあたり外れはありませんので、予算や見た目も重視しつつ、安心して好きなメーカーを選ぶようにしましょう。
この記事が皆さんのお役に立てば嬉しく思います。最後まで読んで下さってありがとうございました。
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