
ミラーレス一眼ってバッテリーが持たないっていうけど、EOS R10は実際のところはどうなのかな??

EOS R10のバッテリーを買おうと思うんだけど、なんか色々あってどれを買えばいいのかわからない

EOS R10ってモバイルバッテリーで充電できないの??
CANON EOS R10のバッテリー持ちはカタログ値で「約350枚(ライブビュー時、ファインダーなら約210枚)」とかなり少ないですが、実際のところは何枚ぐらい撮れるのでしょうか?
さらに、CANON EOS R10で予備のバッテリーを選ぶ場合どれを選ぶとよいでしょうか?
加えて、EOS R10で純正オプションではなく市販品を使ってUSB充電やモバイルバッテリーからの充電ができるかも試してみましたので、そのあたりも詳しくお伝えしたいと思います。

全部実際に購入して自分で試していますので参考にしてくださいね
CANON EOS R10 のバッテリー持ちはどれぐらい?


では早速CANON EOS R10のバッテリー持ちについて検証します。実際に持ち出して試してみましたよ
CANON EOS R10のバッテリー持ちのカタログ値はとても少ない

EOS R10の撮影可能枚数のメーカー公称値は「液晶画面を使った撮影で約350枚、ファインダーを使った撮影で約210枚」となっています。
但しこれは「CIPA規格」を基準にした測定方法(多少キャノンがアレンジを加えているようですが)で、「CIPA規格」とは下記のような手順に従って測定されます。
電源オン → ズーム操作 → 30秒待機 → 撮影(2回に1回はストロボ発光) → 10枚撮ったら電源オフ → 最初に戻る

カメラ構えたまま30秒も待つかなぁ?それにストロボもそんなに使う??

いい所に気が付きましたね、実はこの測定方法は構えているだけで電気を使うミラーレス一眼にとってはかなり不利なんです
この「CIPA規格準拠の測定方法」は一眼レフの時代からあるものですが、1枚撮るのに30秒もかけており、シャッターを切らなくても電気を消費するミラーレス一眼には特に厳しい測定方法となっています。
さらに実際の撮影では2回に1回もストロボを使うこともないでしょう。
つまりこの撮影可能枚数「約350枚」はやや時代遅れの測定方法で測定された枚数であり、ミラーレス一眼の場合は使い方によってはカタログ値の350枚よりかなりたくさん撮れる可能性があります。

構えてから1枚撮るのに30秒ってかなり長いので、ほとんどの人は350枚よりもたくさん撮れるはずです
CANON EOS R10のバッテリーの持ちを実際に試してみた

では、実際の所CANON EOS R10のバッテリー持ちはどれぐらいなのか、実際に実験してみましょう。
満充電したEOS R10を使ってなるべく意識せずにいつも通りに撮影して撮影枚数をカウントしてみました。



近所の公園でチューリップを撮ってきました。ちなみに全て「JPG撮って出し」です。(レンズはちょっと高いのを使っていますが・・・)
EOS R10は本当によくできたカメラで、撮っていると「エントリークラス寄りのカメラ」であることを忘れそうになりますね。
話を戻しましょう。ではバッテリー1つで枚数はどれぐらい撮れたでしょうか??
撮影時間:約2時間
ストロボ撮影:無し
撮影枚数:512枚(ほぼファインダー撮影)
バッテリー残量:1目盛り減
完全にバッテリーが切れるまでは撮れませんでしたが、既にカタログ値の210枚(ファインダー撮影)は大きく超えています。自分はいつもテンポよく&1カットで複数枚撮影する方なので、1回で大体500枚以上は撮れています。
もちろんこの結果には個人差があり、初心者で操作に悩んだり、構えている時間が長めだったりすると、100~200枚ぐらいしか撮れない、というのも十分にあり得る話ではあります。
上の「CIPA規格」の所でも説明しましたが、ミラーレス一眼は「構えているだけ」でも電気を使うので、構えたらなるべく直ぐに、テンポよく撮影するのが枚数を増やすコツです。
EOS R10 の予備バッテリーはこれを買おう


では次にEOS R10で使えるバッテリーを紹介します。
CANON EOS R10のバッテリーの型番は「LP-E17」

CANON EOS R10のバッテリーの型番は「LP-E17」で、同じキャノンのミラーレス一眼の「EOS R50」や「EOS R8」、さらに一眼レフの「EOS Kiss X10」や「EOS Kiss X10i」などと共通です。
キヤノン2023年現在ミラーレス一眼用に3種類のバッテリーが販売されているので、購入する時は間違えないように注意しましょう

カメラのバッテリーを買う時にもう一つ注意したいのが「互換バッテリー」の存在です。
「互換バッテリー」とは、メーカー純正ではなく他社が販売するバッテリーの事で、メーカー純正(キヤノン純正)よりも半額~1/3ぐらいの値段で買う事ができます。
通販サイトなどでは結構紛らわしい表記になっていることも多いので、キヤノン純正のバッテリーを買おうと思う場合、必ず「純正バッテリー」や「キヤノン純正」と書かれているか確認するようにしましょう。

予備バッテリーを買う時は「純正」と「互換バッテリー」のどちらにするかを決めておく必要があります
互換バッテリーってどうなの?


半額以下だったら絶対その「互換バッテリー?」の方がいいんじゃないの??

そうとも言えないんです。僕は自分では互換バッテリーを使うこともありますが、人に勧めるかと言われれば難しいところです
互換バッテリーについては賛否両論ありますが、自分は今まで互換バッテリーに関してそこまで大きなトラブルに遭遇したことはありません。
例えば1日に何千枚も撮るような人だとバッテリーは常時5~6個は必要になりますので、1個が安い互換バッテリーは本当にありがたい存在です。
ただし、他の人に勧めるかどうかと言われればこれは微妙な所で、正直カメラを始めたばかりの初心者の人にはお勧めしません。

初心者に互換バッテリーをおすすめしにくい理由としては、互換バッテリーのほとんどは「ノーブランド品」に近い物の為、品質の良し悪しも含めて自己責任である、という点です。
ミラーレス一眼に使われているリチウムイオン電池は、品質管理が十分になされていないと最悪発火などの事故に至るといわれています。
さらに普通カメラメーカーは互換バッテリーの使用を推奨していないため、万が一カメラが故障した場合に互換バッテリーを使用していたことがバレれば、保証期間内であっても有償修理になる恐れがある、というリスクもあります。
なので個人的な結論として、新品の(メーカー保証がある)カメラにはなるべく純正バッテリーをおすすめするようにしています。もし互換バッテリーを選ぶ場合には、このようなリスクがあることを十分に考慮した上で自己責任で選ぶようにしてください。

確かに・・・せっかく10万円以上出して買ったカメラが、たった数千円ケチったばかりに大変なことになるのはイヤだもんね・・・

自分はカメラを新品で買った時は純正バッテリー、ちょい古の中古カメラを安く買った時は互換バッテリー、と言う具合に分けています
- なんといっても安い!半額どころか1/3以下のものもある
- 純正には無い2つ同時に充電できる充電器もある
- 寿命が短い、容量が少ない、というものもある
- よくわからないメーカー製なので品質が心配
- カメラ本体が故障した場合、メーカー保証対象外になるリスクも
EOS R10はUSBやモバイルバッテリーで充電できる?


では、ここからはEOS R10を専用充電器でなくUSBやモバイルバッテリーで充電する方法を説明します
*ここで行っている実験/検証は個人が限られた環境で行っているものです。結果についてはある程度正確であると思いますが、内容や結果を保証するものではありません。導入に関しては自己責任でお願いします。
CANON EOS R10のUSB充電には専用オプションの使用が推奨されている

従来キヤノンはカメラのUSB充電に対して消極的で、ミラーレス一眼で正式にUSB充電がサポートされたのは2018年に発売されたEOS Rからでした。
しかもこのEOS R10も含めキヤノンのミラーレス一眼は、USB充電をするには「PD-E1」という専用オプションの使用が推奨されています。
なので、「スマホ感覚でUSB Type-Cを差せばとりあえず充電できる」という訳ではない点には注意が必要です。

USBで充電しようと思ったら専用オプション買わないといけないの??

あくまで「推奨」されているだけで、実は「PD規格」に対応しているUSB Type-Cであれば使えるものがあるようです。これから実験してみますよ
では、EOS R10でUSB充電するためには必ず「PD-E1」が必要かと言われれば、実はそうでもなく、ネット情報では「PD規格に対応したUSB Type-Cの充電器やモバイルバッテリーでEOSを充電することができた」という声をちらほら見かけます。
実はキヤノンのサポートページには動作確認済みのAnker製のUSB Type-Cチャージャーとモバイルバッテリーが掲載されており(2023年5月現在で1機種ずつのみですが・・・)絶対に純正の「PD-E1」でないと充電できない、という訳でもないようです。
ですが、動作確認済みであっても、「動作を保証するものではない」との但し書きがついているので、導入する場合は、キヤノンの動作保証対象外つまり「自己責任」であるということを念頭に置いておきましょう。
EOS R10を専用オプション無しでUSB充電してみた


では実際に専用オプション無しでEOS R10がUSB充電できるのか試してみましょう
ではここからは実際に手持ちのUSB充電機器にEOS R10を繋いで充電できるかどうか試してみましょう。
EOS R10には「USB充電」と「USB給電」と二つの機能があり、「充電」は電源を切った状態で充電され、充電中はカメラを使用できません。
一方で「給電」はバッテリーがカラでもUSBを繋いだ状態で使える、つまり「充電完了」を待つ必要がありません。
検証した全ての機器で「充電不可」「充電のみ」「給電も可」を調べましたので参考にしてください。
いつのかわからないUSBアダプターとモバイルバッテリーで充電してみた


ではまず、ちょっと前のUSB充電アダプターで試してみます。ちょっと古いとはいえそれをそのまま使っている人は多いと思います
まず最初に検証するのはこの「いつのかわからない昔のiPadの充電器」です。みんなも一つぐらい持っているよね☆
このアダプターと普通のUSB Type-Cケーブルを使ってEOS R10が充電できるかやってみましょう。


で、結果なのですが、薄々感づいてはいましたがやはり「ウンともスンとも言いません」。おそらくPD規格に対応していないからだと思われます。
試しに他のUSBアダプターやAnkerのちょい古のモバイルバッテリーも試してみましたが、自分が持っているのはどれもPDに非対応だったため、手持ちのアダプターでEOS R10を充電できるものはありませんでした。
ひょっとすると最新のスマホやタブレットの付属充電器の中にはEOSにも充電可能な物もあるかもしれませんが、「充電アダプターは昔の使っているよ」という人は、そのままではEOS R10を充電するのは厳しいかもしれません。

刺さるのに充電できないってことがあるんだね、スマホならちゃんと充電できるのに

ちなみにソニーのα6400はこれでもちゃんと充電できました。やはりキヤノンはPD規格の対応が必須になっているみたいですね
Anker PowerPort III 65W Pod(メーカー動作確認済み)で充電してみた

では次にキヤノンが「一応」動作確認をしているAnker製のUSB Type-Cアダプター「Anker PowerPort III 65W Pod」を試してみましょう。
(*キヤノンの動作保証対象外です、購入&使用は自己責任でお願いします)
キヤノンが動作保証をしていないとはいえ、公式ページに「動作確認済み」として挙げられているので、まぁいけるでしょう。



結果はもちろん「充電可能」「給電可能」でした。

さっきのはダメだったけど、これは充電できているね!
電源オフでバッテリーが充電される「充電」だけでなく、ケーブルを繋いだ状態ですぐに使用する「給電」もできます。
が、そもそもコンセントとUSBに繋いだままカメラを使う用途が普通の人にあるのかどうかが疑問ではありますが・・・。

値段も手ごろなので、USBで充電したい人はこのアダプターを試してみるのがいいかもしれませんね
Anker PowerCore 10000 PD Redux 25W(メーカー動作確認未)も試してみた

では最後に試してみるのは、Ankerのモバイルバッテリー「PowerCore 10000 PD Redux 25W」です。
じつはキヤノンは同じAnkerの「Anker PowerCore III Elite 25600 60W」というモデルを「動作確認済み」としているのですが、これは結構大きくて重いのと、実税価格で1万円ぐらいするので、それよりももっとカジュアルなモデルを選んでみました。
(*くどいようですがどちらも社外品なのでキヤノンの動作保証対象外です、購入&使用は自己責任でお願いします)
この「PowerCore 10000 PD Redux 25W」はPD規格に対応しているものの、キヤノンの動作確認済ではありません。果たして動作するでしょうか???


結果は、「充電可」なものの「給電不可」でした。
電源をオフにすれば問題なく充電できるものの、電源をオンにすると充電が解除され、バッテリーのマークも「給電状態(グレー表示)」にはなりませんでした。
非公式情報ですが、キヤノンのカメラで給電しながら使うには、アダプター側に9V3A以上の出力が必要で、この「PowerCore 10000 PD Redux 25W」はそれにやや足りないため、充電のみしか使用できないようです。

まぁモバイルバッテリー繋いだまま撮らないといけないような緊急事態もそうそうないか・・・
余談にはなりますが、カメラに限らず「USBポート」は非常にデリケートで特に「曲げ」に弱く、USBケーブルを差した状態での取り扱いには細心の注意が必要です。
不用意に力が加わるならカメラ内部の基盤が損傷し、高額の修理が必要になるリスクもあります。
そういった理由で、個人的には「歩きながらモバイルバッテリーで給電しながらの使用」はなるべく避けた方が良いと思います。

カメラにUSBケーブルを差したまま使う、というのはあまり安全ではないように思うんですよ。充電の時もプラグに力が加わらないように工夫してくださいね
EOS R10のバッテリーを長持ちさせるコツ


では最後にミラーレス一眼でバッテリーを長持ちさせるためのコツをお伝えします。ちょっとしたことで結構変わりますよ
撮影操作に慣れておき、現場で迷わない

従来の一眼レフは主に撮影の瞬間に電気を使いますが、ミラーレス一眼は、電源が入っているだけでセンサーが大量の電気を消費し続けます。
なので、F値やISO感度といった撮影の設定に時間がかかると、その分バッテリーを消費し撮影可能枚数が少なくなります。
つまり、カメラの基本的な操作をスムーズに行いテンポよく撮れればそれだけバッテリーが長持ちする、ということになるので、日ごろからカメラに触れる機会を増やすなどしてなるべくカメラの操作に慣れておくようにしましょう。

カメラの基本的な操作を体で覚えるぐらいになれば、バッテリーの持ちはグッと伸びます
カメラを構えて悩まない

繰り返しになりますが、ミラーレス一眼はファインダーを覗いているだけで電気を消費し続けます。
つまりカメラを構えながら「あーでもないこーでもない」と悩めば悩むほど、撮れる枚数は少なくなる、ということです。
なので、「とりあえず撮って、気に入らなければ後で消せばいい」ぐらいの気持ちで、構えたらなるべく直ぐに撮るようにした方がバッテリーの持ちはかなりよくなるはずです。

構えてから色々悩んで結局撮らない、って結構やりがちかも・・・

「撮れば撮るほど上手くなる」と思って、悩むより次々撮るようにしましょうね
こまめに電源を切る

ミラーレス一眼は、撮影の合間に意識的に電源をオフにすることで、撮影可能枚数を伸ばすことができます。
特に、ストラップで首から下げて歩く場合、アイセンサーが反応してスリープモードに入りにくいことがありますので、歩いて移動する場合は電源を切る方が良いでしょう。
ですが、極端にオンオフを繰り返すとスイッチの寿命を早めてしまうことにもつながりますので、「移動する時は切る」程度で十分だと思います。

あまりに細かく電源のオンオフを繰り返すと、電源スイッチの寿命を早めることにもなるので、程々でいいと思います
見返す時間はなるべく短く

これは一眼レフにも言えることですが、モニター表示にもそれなりの電気を消費しますので、あまりに長く撮った写真を見返していると、これもバッテリーの持ちに影響します。
もちろんちゃんと撮れているかの確認は重要ですが、なるべく短時間で済ませるようにしましょう。
ピントやブレが心配なら、確認に時間をかけるよりも何枚か撮っておく方が結果としてバッテリーを長持ちさせることにもつながります。

どんなのが撮れたかは家に帰ってのお楽しみ、というのも悪くないよね
まとめ:予備バッテリーかモバイルバッテリーがあれば安心

いかがだったでしょうか。CANON EOS R10はミラーレス一眼としてはバッテリーの持ちは「並」だと思います。
お世辞にも持ちがいい方とは言えないので、撮影前には必ずバッテリーを満充電する癖をつけておきましょう。予備バッテリーを一つでも用意しておくのもおすすめです。
さらに動作保証外ではあるものの、最新のPD規格に対応したモバイルバッテリーがあると、万が一充電を忘れた時でも移動中に充電できるので安心ですね。
この記事が皆さんのお役に立てば嬉しく思います。最後まで読んでくださってありがとうございました。
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