こんにちは!カメラ歴15年、カメラ総購入台数25台のNEKO(ねこ)です!
2022年7月にキヤノンからついにRマウントのAPS-C機である「EOS R10」が発売されました。
この記事では、EOS R10のレンズキット、「EOS R10 RF-S18-150 IS STM レンズキット」と「EOS R10 RF-S 18-45 IS STM レンズキット」のどちらにしようか迷っている人に向けて、それぞれのレンズキットの特徴を解説しています。
特に初めて本格的なミラーレス一眼を買う人、そこまでカメラ機材に詳しくない人でもわかるようになるべく簡単にわかりやすく比較しているので、是非最後まで読んで頂けたらと思います。
実機画像や比較のためのサンプル満載ですよ
結論:遠景やスナップだけならEOS R10の標準レンズキットもアリ
結論から言うと、もしEOS R10で撮る被写体がほぼ街スナップや遠景のみ、と言う場合はRF-S18-45 IS STMレンズキットの方でも十分に可能だと思いました。
理由としては、街スナップや遠景の場合、広角~標準域を中心に使うことが多いのと、絞ることが多いのでレンズの暗さがデメリットになりにくい、という点を上げられます。
また、Vlogや動画メインの人もあまり望遠レンズは使わないと思うので、RF-S18-45 IS STMレンズキットの方が向いているかもしれません。
RF-S18-45 IS STMは暗くて望遠域が無いレンズですが、広角中心で絞って撮ることが多いならそこが弱点にはなりませんね。軽さも武器になりますよ
それ以外の場合、例えばポートレートや花なども撮る場合は残念ながらRF-S18-45 IS STMレンズキットだとかなり苦しいので、もう一つのRF-S18-150 IS STMレンズキットにした方が無難でしょう。
これから検証しますが、この2本のレンズは望遠域の焦点距離だけでなく他にも色々な部分でRF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMの方が勝っています。
もし、これから本格的なミラーレス一眼を始める人や、撮りたい物がはっきりと固まっていない人はRF-S18-150 IS STMレンズキットを選んでおきましょう。
18-45がある意味尖がったキャラクターなのに対して18-150はオールマイティな性能です。これから一眼カメラを始める人にはこちらを勧めたいですね
まずはEOS R10のレンズキットを紹介
RF-S18-150 IS STM レンズキット
最初に紹介するのは「EOS R10 RF-S18-150 IS STM レンズキット」です。
このレンズキットに付属する「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」はフルサイズ換算で29mmから240mmをカバーする高倍率ズームレンズなので、大抵の撮影ならこのレンズ1本でこなすことができそうです。
高倍率ズームだけあって結構な長さがありますが、EOS R10のグリップが深いのと、レンズの直径がやや細いため、そこまで大きい印象はありません。
ではこの18-150レンズキットのメリットとデメリットを見てみましょう
このRF-S18-150 IS STMレンズキットの最大のメリットは、やはり広角から望遠までレンズ交換無しで対応できる、という所だと思います。
特にカメラを始めたばかりの人はレンズ交換を難しく思う人もいるので、その点でも初心者におすすめだと言えそうです。
一方でデメリットはあまり感じませんが、敢えて言うならばレンズの長さがちょっとあるのと、重量がやや重めと感じる人がいるかもしれません。
レンズ交換が不要なのは初心者には嬉しいですね。ただ下の方で検証していますが、コンパクトな割にちょっと重いかもしれません
RF-S18-45 IS STM レンズキット
次に紹介するのは「EOS R10 RF-S18-45 IS STM レンズキット」です。
このレンズキットには、フルサイズ換算で29mmから72mmをカバーする「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」標準ズームレンズが付属します。
このレンズの特徴は、撮らない時はレンズを収納しておき、撮影時にはレンズを伸ばすという「沈胴式」という方式を採用している点です。
なので、カバンから出して一枚撮るまでの間に「レンズを撮影ポジションにする」というひと手間が加わりますが、ズームリングをサッと回すだけなので、慣れればそれほど大きなストレスにはならないと思います。
次は18-45レンズキットのメリットとデメリットを考えましょう
この「EOS R10 RF-S18-45 IS STM レンズキット」を選ぶメリットは、軽量でコンパクトなことと価格が安いことでしょう。EOS R10 RF-S18-150 IS STMレンズキットに比べて、約3万円ほど安く買うことができます。(2022年10月時点でキヤノンオンラインショップにて)
一方でデメリットはやはり望遠域が足りないこととF値が暗いことが挙げられます。
ただ結論の所でも書きましたが、街スナップなど広角を中心にF8程度に絞り込んで使うなら、これらは弱点とは言えませんし、むしろこのコンパクトなレンズが有利とさえ言えるでしょう。
18-45は良くも悪くもキャラクターがはっきりしているレンズなので、これで撮れるものがしっかりイメージできるベテラン向けなのかもしれませんね
ちなみにですが、2022年10月現在EOS Rマウントはこの「EOS R10 RF-S18-45 IS STM レンズキット」の望遠側として使えそうな、APS-C専用のコンパクトな望遠レンズがまだ1本もありません。(追記:2023年3月下旬に販売されました!)
いずれにしてもレンズは後から買い足すのは結構な出費となるので、自分が望遠域の撮影をするかどうか、よく考えて決めるようにしましょう。
EOS R10のレンズキットの比較
ではここからは二つのレンズキットを詳細に比較していきましょう
では実際に二つのレンズキットがどれぐらい違うのが、実機をもとに検証してみましょう。
検証結果に関してはある程度正確だとは思いますが、個人が簡易的に行っているものなので、個体差や誤差がある可能性もありますのでご了承ください。
それでは見ていきましょう。
外観
まず外観の比較から始めましょう。
RF-S18-150 IS STMレンズキットの方は最広角時(18mm)の時が繰り出しが最も短く、望遠時にはかなりの長さになります。
一方でRF-S18-45 IS STMレンズキットは一度レンズを撮影ポジションに繰り出してしまえば、広角側が最も長いので、45mmまで回してもこれ以上レンズが伸びることはありません。
レンズ本体にはAF/MFスイッチや手ブレ補正のオンオフスイッチなどは一切なく、コントロールリングもMFリングと共用、などの点はどちらのレンズも共通です。
RF-S18-45 レンズキットの方はエントリーモデルかと思う程のコンパクトさですね
重量
次に重量を比較してみましょう。
なるべく実際の使用状況に近い状態で比べたいので、レンズをボディに装着した状態で比較してみます。ボディにはバッテリーとSDカードも装着してあります。
これはちょっと意外だったのですが、RF-S18-150 IS STM レンズキットは約730gとそれなりの重量があります。
持っている感じでは600gぐらいかな?という感覚だったのですが、それだけEOS R10 のグリップが深くて持ちやすく、さらにこのレンズとのバランスも良かったんだと思います。
一方でRF-S18-45 レンズキットの軽さが際立ちますね。お散歩などちょっとした外出に持ち出すにはこの軽さはかなり魅力的かもしれません。
ここでもRF-S18-45のキャラクターが際立ってますね。キヤノンがこのレンズをどんな人に使って欲しいか考えると楽しくなります
広角側
続いて付属レンズの広角側(広く写る側)を比較しましょう。
スペック上はこの二本はどちらも18mm(フルサイズ換算で29mm相当)なので違いはありません。
それでは実際に撮ってみて、写る範囲と画質などを見てみましょう。
どうでしょうか、手持ちで撮ったので厳密な比較とはなりませんが、ほんの僅かにRF-S 18-150 IS STMで撮った画像の方が広く写っています。
上のRF-S 18-150 IS STMはギリギリ写っている左端の橋の街灯が、下の18-45では切れていますし、右端の遠くのビルも半分で切れています。
見比べてようやくわかる程度のわずかな差なので、実際に違いを感じることはまずないと思いますが、広角側の写る範囲に関しては一応違うと言われれば違う、ということになるかもしれません。
誤差程度の違いとは言え、同じ広角18mm同士の比較で差があるとは思いませんでした。
一方で画質に関しては違いを見出すことはできませんでした。
望遠側
では続いて望遠側も比較してみましょう。
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMの最大望遠側の焦点距離は150mm(フルサイズ換算で240mm相当)です。
一方でRF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STMの最大望遠側の焦点距離は45mm(フルサイズ換算で72mm相当)となっています。
この違いはどれぐらいの違いなのでしょうか?これも実際に撮り比べてみましょう。
これはもうはっきりとスペックの違い(望遠側の焦点距離の違い)が出ていますね。
この望遠側の違いがこのレンズキットの最大の違いなので、この望遠域を使うか使わないかが二つのレンズキットのどちらを選ぶかの最大の分かれ道になりそうです
これはもうスペック通りの差ですね。結局のところこの望遠があるか無いかで、どちらのレンズキットにするか決める人がほとんどだと思います
マクロ性能
続いてはマクロ性能を比較してみましょう。マクロ性能とは、被写体にどれだけ近づけるか、つまりどこまでアップで撮れるかということです。
近づいてもピントが合うギリギリの限界、というのは実はレンズによって違うので、どれだけ大きく写せるかもレンズによって異なります。
それでは早速撮り比べてみましょう
今回はこんな感じの花瓶と造花を用意してみました。これにできるだけ近づいて撮ってみます。より大きく撮れるのはどちらでしょうか。
どうでしょうか、かなり違いがありますね。RF-S18-150はズームが50mmの時に被写体からレンズの先まで約5cmまで寄ることができたのに対して、RF-S18-45はあまり寄ることができませんでした。
花や小物のアップなどを撮りたい場合は「RF-S18-150 レンズキット」を選びたいところです。
ちなみにですがRF-S18-150の方にはマニュアルフォーカス時さらに大きく撮れる「センターフォーカスマクロ」という機能も付いていますが、特殊な使い方だと思うので今回は考慮に入れてません。
ここでもRF-S18-150 が一歩リードですね。このレンズには初心者がなんでも撮れるようにとのキヤノンの良心を感じます
一方の「RF-S18-45 IS STM レンズキット」でもマクロは無理でもテーブルフォト程度であれば問題なく撮れそうです。
F値
続いてはレンズの「明るさ」F値を比較してみましょう。
ちょっと(かなり?)専門的な話になるので、初心者や初めてカメラを買う人は読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
焦点距離 (フルサイズ換算) | RF-S 18-150 IS STM | RF-S 18-45 IS STM |
---|---|---|
18mm (29mm) | F3.5 | F4.5 |
約22mm (35mm) | F4 | F5 |
約32mm (50mm) | F4.5 | F5.6 |
約45mm (72mm) | F5.6 | F6.3 |
約63mm (100mm) | F6.3 | – |
約125mm (200mm) | F6.3 | – |
150mm (240mm) | F6.3 | – |
全体的に「RF-S18-150 IS STM」の方が高倍率ズームであるにも関わらず「RF-S18-45」よりも明るいですね。と言うよりも「RF-S18-45」の方が、シンプルな標準レンズの割には「暗いなぁ」と言う印象です。
レンズが暗いとその分ISO感度を上げてバランスを取るので、厳密に言えばレンズが暗い分画質が劣るということになります。
ただ、EOS R10はセンサーの高感度性能とノイズ低減性能がどちらも飛躍的に良くなっているので、2/3段ぐらいの明るさの違い(F値の違い)は実用面、とくに初心者がスマホで見る分にはほぼわからない違いだと言えそうです。
RF-S18-45 IS STMはもう絞ることを前提にコンパクトさに全振りしたレンズなんでしょうね
EOS R10であればちょっとぐらいの暗さはボディの性能でカバーできると思います。
その他の比較
最後にその他細かい点を比べてみましょう
RF-S18-150 STM | RF-S18-45 STM | |
---|---|---|
手ブレ補正 | 4.5段 | 4段 |
最短撮影距離 | 17cm(18mm~35mm時) | 20cm (18mm時) |
最大倍率 | 0.44倍(50mm時) | 0.16倍(45mm時) |
AFモーター | ステッピングモーター | ステッピングモーター |
絞り羽根 | 7枚 | 7枚 |
フィルター径 | 55mm | 49mm |
レンズフード | 別売 EW-60F | 別売 EW-53 |
絞り羽根は7枚で、円形絞りとの表示はありませんが、試してみたところどちらも2段ぐらいまでは極端に角が立つということはありませんでした。
AFモーターは最近主流のSTM(ステッピングモーター)ですが、とても静かで早く、USM(超音波モーター)だと言われたら信じてしまいそうです。
どちらのレンズもレンズフィルターが別売なのも同じですが、レンズ手ブレ補正が0.5段分RF-S18-45の方が負けているのにはもう笑ってしまいそうになりました。
あなたにはどっちのレンズキットが向いている?タイプ別おすすめ
ではここからは撮るもの別でおすすめのレンズキットがどちらかを考えてみたいと思います。
遠景・スナップ中心の人
本文中で何度か触れていますが、街スナップや自然でも遠景が中心の人はRF-S18-45 IS STM レンズキットの方がが向いているかもしれません。
街中をEOS R10を片手に持って颯爽と歩きながら、一瞬見せる街の風景をF8で切り取る・・・、そんなスナップシューターには軽量でコンパクトなEOS R10 RF-S14-45 IS STM レンズキットが最適でしょう。
また山歩きなどが趣味の人もなるべく荷物は軽い方がいいはずなので、もしあんまり望遠を使わないのであればこちらのセットの方がおすすめです。
都市型スナップシューターさんに是非使って欲しいレンズキットですね
花をふんわりと撮りたい人
日本は四季折々に色々な花が咲いて楽しませてくれますね。もし身近な公園などに咲く季節ごとの花々を撮るのを楽しみたいのであれば、断然RF-S18-150 IS STM レンズキットがおすすめです。
花も色々ありますが、小さな花は特にしっかりと寄ってマクロ気味で撮りたいものです。
その場合、最大倍率が0.44倍とマクロレンズ並みに寄れるRF-S 18-150mm F3.5-6.3 IS STMであれば、思い通りのクローズアップ写真を撮ることができるでしょう。
被写体にしっかりと近づくので背景が綺麗にボケるというメリットもあります
子供の成長記録や家族を撮りたい人
現在EOS R10 を検討中の人の中には、家族や、特にお子さんの成長記録を撮りたいという人もたくさんいる事でしょう。そんな人にはやはり便利ズームであるRF-S18-150 IS STM レンズキットをおすすめしたいです。
屋外で思いっきり遊んでいるお子さんを撮るにはやはり望遠域は欠かせません。また、常に荷物が多いので頻繁にレンズ交換をするのも難しいでしょう。
あらゆるシチュエーションに対応できるという意味でもRF-S18-150 IS STM レンズキットがおすすめです。
運動会や発表会、家族旅行と望遠レンズが役に立ちそうな状況は山ほどありますね
かっこいいポートレートを撮りたい人
せっかく本格的な一眼カメラを買ったら、彼氏や彼女また友達をカッコよく撮りたい!ポートレートを取ってみたい!と言う人もいる事でしょう。
最近ではイルコさんのように超広角でポートレートを撮る人もいますが(超カッコイイので一回検索してみて下さい)、大抵はフルサイズ換算で50mm~100mmあたりの焦点距離で撮るのが定番です。
フルサイズ換算で50mmから100mmはEOS R10 のAPS-Cセンサーでは32mm~62mmとなりますので、RF-S18-150 IS STM レンズキットであれば安心してポートレートに挑戦することができるでしょう。
それにRF-S18-150の方が解放F値が明くボケも大きいのでポートレートにはおすすめです
Vlogや旅行動画と言った動画メインの人
最近ではちょっとした日常の1コマや旅行などを写真ではなくビデオで残すことも多くなりました。そんなブイロガーの皆さんや動画クリエイターの人には軽量なRF-S18-45 IS STM レンズキットがおすすめです。
理由はシンプルで、割と長回しすることもあるVLOGだと重い機材はキツいだろうというのと、ほぼ広角しか使わないだろうという2点です。
もちろん広角であればある程いいので、18mm(フルサイズ換算で29mm相当)というのは少し寂しいスペックではありますが、「最新のスチルカメラと併用」と考えれば悪い選択肢ではないように思います。
動画もスチルも両方撮る!と言う人には18-45はぴったりですね
まだ何を撮るかよくわからない人
もしこれから初めての一眼カメラとしてEOS R10を考えているなら、自分が本当に何を、どのように撮りたいのかは具体的にはまだわからないかもしれません。
そうであれば、やはりオールマイティに対応できるRF-S18-150 IS STM レンズキットをおすすめします。
とりあえずこのセットでカメラを始めて色々と撮ってみて経験を積めば、そのうち自分が好きな被写体やジャンル、構図などがわかってくるでしょう。
特に最初はとりあえずなんでも撮れる方が楽しめると思います
まとめ:初めてなら優等生な18-150レンズキットが安心
いかがだったでしょうか?
巷ではキットレンズの「人気の無い方」であるRF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STMは「暗い」とか「今時18mm始まり」とか結構散々に言われていますが、個人的にはキヤノンからの挑戦状のような感じがしてとても好きです。
なんていうか、敢えて24mmスタートではなくて29mmスタートにした所が、「無口で頑固なおじいちゃん」感があってとてもシビれます。「解放なんかで撮る奴に用はねぇ!」なんて言ってそうで笑
とはいえ、これから初めて一眼カメラを始める人にとってはやっぱりもっと若くて優しい18-150先生の方がいいに決まっているので、大抵の人にはやはりこのRF-S18-150 IS STM レンズキットがおすすめになると思いました、という話です。
この記事が皆さんの参考になれば嬉しく思います。最後まで読んで下さってありがとうございました。
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