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ニコンZ50IIを使いこなす③ Aモード・Sモードを使ってみる


一応Aモードを使ってるんだけど、正直F値とかイマイチわかんない・・・

絞りやシャッタースピードの感覚を身に着けるには時間がかかるものなんです。とりあえず使いながらちょっとずつ勉強していきましょう
いろいろな状況に対応するためには「AUTO」や「P」だけでなく、「A」や「S」モードも使って自分で絞りやシャッタースピードをコントロールする必要が出てくるでしょう。
ただ、このAモードやSモードを使いこなすには、かなりの知識や経験が必要となってきます。(それこそ本一冊書けるぐらい)
なのでこの記事では専門的な解説は最小限に留め、「使いながら学んでいく」というスタンスを取っていきたいと思います。
撮影モードは「何を自分で決めたいか」で選ぶ


撮影モードは「緑色のAUTO」や「P(プログラムオート)の他にも」「S」や「A」や「M」などがあり、「A」は絞りを、「S」はシャッタースピードをそれぞれ指定できます
<主に使う撮影モードの種類>
- 緑のAUTO・・・全部カメラ任せ、でも明るさとピクチャーコントロールは変えられる
- P・・・AUTOの内容に加えてホワイトバランスなども自分で変えられる
- A・・・Pに加えて絞り(F値)も自分で変えられる
- S・・・Pに加えてシャッタースピードも自分で変えられる
- M・・・完全マニュアル、絞り、シャッタースピードを全部自分で決める
カメラを始めたばかりの人は撮影モードを「AUTO」や「P」に合わせるのが普通ですね。
これらは絞り(F値)やシャッタースピードをカメラが自動的に決めてしまうモードで、簡単な反面、撮影がカメラ任せになりやすく、撮影者の意図を反映させるのが難しいというデメリットもあります。
それで、絞り(F値)やシャッタースピードをカメラではなく自分で決めるモードが「Aモード」や「Sモード」と呼ばれているモードであり、撮影時に適切な撮影モードを選ぶことで、絞りやシャッタースピードを自分でコントロールしながら撮ることができるようになります。
撮影モードの切り替え方は簡単で、ファインダー横の「モードダイヤル」を回して、白い合いマークを設定したいモードに合わせるだけです。
ちなみにこのモードダイヤルは撮影中に、電源を入れたまま変更してもOKです。

ここでは特に「A」と「S」モードの使い方を解説しますよ
Aモードは絞りの数値(F値)を自分で決める


絞りの開き方をコントロールして、「ボケの量」や「やわらかい、くっきり」といった全体の印象をコントロールすることができます
Aモードは「絞り(F値)」を自分でコントロールしたい場合に使います。
「絞り」とはレンズの中にある機構で、光の入る量を調整するものですが、この光の量を調節することで、ボケの量やピントの合う範囲などをコントロールすることができます。
操作そのものはとても簡単で、撮影モードを「A」にセットし、シャッターボタン下のサブコマンドダイヤルを回すと、画面下のF〇〇の表示が増減するので、設定したいF値に合わせます。
<絞り(F値)の調節方法>


ダイヤルをカチカチ回すとF値が変化しますが、4、5.6、8、11、16・・とすっきりしない数字ですし、増え方のルールも最初はよくわかりませんよね。
実はこのF値は、「使うレンズ」と「レンズのズーム位置」によって選択できるF値が異なってくる、という性質を持っています。
例えばレンズキットに付属する標準レンズのF値は広角側で「3.5が最小」ですが、望遠側だと「6.3」より下にはならないはずです。
この辺りがF値を理解するのを難しくしている点だと思いますが、とにかく最初はあまり難しく考えずに、人差し指のダイヤルを回してF値が最も小さくなるところが「絞り全開=ボケ最大」と覚えてください。
- 絞りの数字が小さい方が「光の量が多い」
- 絞りの数値の最小値は「ズーム位置」によって変わる
- 絞りの数値の最小値は「使うレンズ」によっても変わる

F値の数字が大きくなれば光の量は少なくなるの?なんかわかりにくいね

確かに直感的ではないですが、とにかく「F値の数字が小さい=光の量が多い=ぼけやすい」と憶えて下さい
では、この絞りの変化がボケにどのような影響を及ぼすのか見てみましょう。
<絞りの変化によるボケ量の変化>

- 絞りの数字が小さくする(絞りを開く)=ボケる範囲が広くなる=柔らかになる
- 絞りの数字が大きくする(絞りを閉じる)=ボケる範囲が狭くなる=シャープになる

わぁ全然違う!やっぱりF値の数字を小さくすると、ボケが大きくなるんだね!

それはそうなんですが、必ずしもそうなるとは限らないんですよ。例えば次のようなケースです


あれ??ぱっと見違いがわからないね

いやいやよく見ると違いますよ。でも構図によってはF値の違いはこの程度の差だということです
よく「絞りを開く(F値を小さくする)とボケる」と聞くと思いますが、それはあくまでも「そういう傾向がある」程度のもので、実はボケの量はF値だけで決まるほどシンプルなものではありません。
実際に撮っていればわかりますが、ボケの量は絞り(F値)よりも被写体との距離やレンズのズーム位置などの方が影響が大きく出ます。
なので絞り(F値)は「ボケの量」というよりは、「写真全体が柔らかくなる←→シャープになる」のようなイメージを持つようにし、それを写真のイメージに反映するようにしてください。
なるべく絞り(F値)の数字を小さくして(絞りを開けて)撮りたいもの(F3.5~F5.6)
- ポートレート
- 花や植物などのアップ
- テーブルフォトなど背景をボカしたいもの
絞り(F値)を絞って撮りたい物・・・(F11~F16)
- 都市風景、人工物
- 外国風のポートレート
- その他、なるべく画面の全てにピントを合わせたいものなど
絞りの役割を理解するための練習として、目の前のコップや家の前など、いろいろなものをF値最小とF11で撮って見比べてみましょう。
構図や被写体や背景との距離によって、ボケ方やメリハリ感などが大きく変わる場合と、殆どその差がわからない場合とが出てくると思います。
絞りの効果を理解し、自在にコントロールできるようになるには相当な経験が必要です。ちょっとずつでもいいので、日々の撮影の時にF値を意識するようにしてみてください。

とりあえず最初は、ボカしたい、やわらかくしたい場合はF値を最小に、キリっとさせたい場合はF11かF16と使い分けるところから始めましょう
Sモードはシャッタースピードを自分で決める


Sモードは「シャッタースピード」つまり「シャッターが開いている時間」を任意に指定できるモードです。
Sモードは「シャッタースピード」を自分でコントロールしたい場合に使います。
操作はAモードと同じで、モードダイヤルを「S」にセットし、コマンドダイヤル(親指側のダイヤル)を回すと、画面下の「1/〇〇」の表示が増減するので、設定したいシャッタースピードに合わせます。
<シャッタースピードの設定方法>


このシャッタースピードの数字が例えば「1/60」だと「60分の1秒」、「1/500」は「500分の1秒」の間シャッターが開き、その時間だけセンサーに光が当たる、という意味になります。
この「センサーに光が当たる時間が長いか短いか」で撮れる写真に次のような違いが出ます。
- シャッタースピードが速い(分母の数字が大きい)と・・・
早く動いているでもピタっと止めて撮れる
手ブレしにくくなる
光の量が少なくなるので代わりにISO感度(センサーの感度)が上がり、画質が粗くなる - シャッタースピードが遅い(分母の数字が小さい)と・・・
早く動いているものが止まらずに流れて(ブレて)写る
手ブレしやすくなる
光の量が多くなるのでISO感度(センサー感度)が下がり、画質が良くなる
例えば遊びまわる子供や部活の写真を撮っていると、背景や足元の地面にはピントが合っているのに、手足や体の一部、もしくは体全体がブレて写ってしまうということがありますが、これはシャッタースピードの不足による「被写体ブレ」という現象です。

この場合、設定されているシャッタースピードが被写体の動きに対して遅すぎるので、Sモードで意図的にシャッタースピードを上げて撮影する必要があります。
逆に敢えてシャッタースピードを遅く撮ることで、例えば乗り物をわざと被写体ブレさせて動きを表現したり、テールランプの「光の筋」を収めたり、と多彩な写真表現を操ることが可能になります。
シャッタースピードの目安
- 車のライトの光線・・・1秒以上(三脚必須)
- 水の流れを滑らかに・・・1/8(手ブレに注意)
- 動いている人・・・1/250以上
- 走っている人・・・1/500以上
- 鳥、飛行機、電車など・・・1/1000以上
Sモード使用時には注意点があり、晴れた日の昼間など、周囲が十分に明るい状況でシャッタースピードを遅くすると、光が入りすぎて写真が真っ白になってしまうことがあります(通称露出オーバー)。
逆に、屋内や夕方などの薄暗い状況でシャッタースピードを上げていくと、光の量が足りなくなるのでISO感度(センサー感度)が上がってしまい、ノイズの多いザラザラした写真になってしまいます。
いずれも初心者のうちはなぜそうなってしまうのかわからないことも多いと思うので、上手くいかないと思ったら無理をせずに撮影モードを「P」に切り替えるようにしましょう。

シャッタースピードのカンを身に着けるにはある程度時間がかかるものです。焦らずにゆっくり身に着けて下さい
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