<この記事で学べる事(タップすると各ページにジャンプします)>
ニコンZ50IIを使いこなす① 状況や被写体に応じて設定を変える


次に、フィールド上で被写体や状況に応じて使い分ける設定を紹介します。ここをマスターすればどんな被写体でも最適な設定で撮れるようになります
<iメニューの使い方>

iメニューを使えば撮影中に変更が必要な設定をスムーズに変更できるので、今のうちに慣れておきましょう
ニコンZ50IIには、撮影中に設定をスピーディーに変更できるように「iメニュー」というショートカットメニューが用意されています。
状況に応じて素早く設定を変更するにはこのiメニューを使いこなすことが必須なので、撮影中にサッと使えるように家にいる間に練習しておきましょう。


これから紹介するZ50IIの写真用設定やカスタマイズは「オートモード」(緑色のAUTO)では設定&変更できない項目が含まれています。
なので撮影モードは「オートモード」と同じ感覚で撮影でき、かつ設定の自由度が高い「P(プログラムオート)」もしくは「AやSモード」を使用してください。
「フォーカスモード」は被写体が動くかどうかで使い分けよう


止まっているものは「シングルAF」で、動いているものは「コンティニュアスAF」で撮る、と使い分けましょう
被写体には大きく分けて、建物や木、止まっている車などの「動かないもの」と、ペットや子供、走っている電車などの「動くもの」の二種類があります。
そしてこのZ50IIには、主に「動かないもの」向けに高速高精度な「シングルAF」と、「動くもの」向けに連続してピントを合わせ続ける「コンティニュアスAF」という二つのフォーカスモードを持っています。
これら二つのフォーカスモードを使い分けることがピント合わせのカギとなりますので、頑張ってマスターするようにして下さい。
「AF-S(シングルAF)」は止まっているものに使う


「AF-S(シングルAF)」は、シャッターボタンを半押ししたときに1回だけピントを合わせる方式で、高速で正確なのが特徴です。主に風景で使いましょう
「AF-S(シングルAF)」はシャッターボタンを半押ししたタイミングでピントを合わせる方式です。
高速で高精度なのが特徴ですが、半押し(ピント合わせ)をした後で自分や被写体が動くとピントがズレる、というデメリットもあります。
なので主に風景など、最初から動かないとわかっているものに使います。
<AF-S(シングルAFの設定方法)>


「AF-C(コンティニュアスAF)」は動くものに使う


AF-C(コンティニュアスAF)はシャッターボタンを半押ししている間ずっとピント合わせを繰り返す方式です。動く人やペットはこれで撮りましょう
「AF-C(コンティニュアスAF)」はシャッターボタンを半押ししている間はずっとピント合わせ動作を繰り返す方式です。
特にZ50IIは「オートエリアAF」と組み合わせることで、人の瞳や動物、乗り物などを自動的に検出してそこにピントが追従する強力な被写体検出を使用できます。
なのでポートレートやペット撮影といった自動検出できる対象を撮るとき、他にも自分や対象が動いている状況では積極的に活用しましょう。
<AF-C(コンティニュアスAF)の設定方法>



じゃぁ全部コンティニュアスAFで撮ればいいんじゃないの??

ダメではないですが、コンティニュアスAFは極僅かにピントを外すことがあるので、余裕があればシングルAFと使い分けるのが理想なんです
以前と比べるとかなり改善されましたが、AF-C(コンティニュアスAF)はごくわずかにピントが前後する「ピンズレ」が発生することがあります。(まぁ拡大したらわかる、程度の軽微なものですが)
もちろん高速で動いているものであればこのわずかなピンズレはほとんど問題になりませんが、風景写真ではなるべくピントはガッチリと合わせたいですね。
なのでAF-C(コンティニュアスAF)は「動いているもの&自動検出させる被写体」を撮るときに使い、風景などはAF-S(シングルAF)か、次の「AF-A(AFモード自動切換え)」で撮ることを基本としましょう。

コンティニュアスAFで撮るときは2~3枚余分に撮っておくと確実です
「AF-A(AFモード自動切換え)」は便利だけど万能じゃない


「AF-S(シングルAF)」と「AF-C(コンティニュアスAF)」のいいとこどりの「AF-A(AFモード自動切換え)」というのもあるので、慣れるまではこれでいきましょう
Z50IIには「AF-S(シングルAF)」と「AF-C(コンティニュアスAF)」を合わせた「AF-A(AFモード自動切換え)」とうフォーカスモードも用意されています。
このAF-A(AFモード自動切換え)は通常はAF-S(シングルAF)として動作し、被写体が動き出したらその時点で自動的にAF-C(コンティニュアスAF)に切り替わる、という便利なものです。
なので、カメラを始めたばかりでまだ設定を変えながら撮る余裕が無い場合はこのAF-Aを使い、とにかく撮ることに集中するのがおすすめです。
<AF-A(AFモード自動切換え)の設定方法>



じゃぁもうこれで撮ればいいじゃん!!

全然それでいいんですけど、でも思ったように切り替わってくれないこともあるので、中級者を目指すならやっぱり自分で先に切り替えたいですね~
自動で切り替わるというととても便利に思われるかもしれませんが、実際に使ってみると「ここぞ!」というところでコンティニュアスに切り替わってくれなかったり、もどかしい思いをすることもあります。
なのでカメラと撮影にある程度慣れれば、被写体に応じてあらかじめAF-SとAF-Cを切り替えられるようになることを目指しましょう。
「AFエリアモード」はピントを合わせる枠の大きさ


「AFエリアモード」はピント合わせをする場所を指定します。まずは「オートエリアAF」と「シングルポイントAF」、「3DトラッキングAF」の3つを使い分けられるようになりましょう
画面に表示されるピントを合わせる四角い枠のことを一般的にAF枠と呼びます。
このニコンZ50IIには多彩なAF枠が用意されていますが、最初から全部覚えるのは大変なので、まずは「オートエリアAF」と「シングルポイントAF」、「3DトラッキングAF」の3つを覚え、それ以外は必要に応じて使えるようになりましょう。
「オートエリアAF」は画面内のどこでもピントが合う


最も基本で簡単なのがこの「オートエリアAF」です。画面のほぼ全域でカメラが自動的に被写体を選んでピントを合わせてくれます。
この「オートエリアAF」は画面のほぼ全域でカメラが自分で被写体を選び、そこにピントを合わせるモードです。
特にZ50IIには強力な被写体認識能力があるので、人や動物などを自動的に識別し、優先的にピントを合わせてくれます。
悪く言えばカメラ任せではありますが、初心者が撮影に慣れるまではこの「オートエリアAF」を使ってとにかく撮影に集中するのがおすすめです。
<オートエリアAFの設定方法>



なかなか自分が思ったところにピントが合わない・・・

オートエリアAFはカメラ任せですからね、そんな時は液晶画面をタップしてAF位置を指定しちゃいましょう
オートエリアAFは基本的にカメラ任せになるため、なかなか自分の意図したものにピントが合ってくれない、ということがあるかもしれません。
そんな時はタッチパネルを使ってAF枠の位置を指定させることができます。
この時左下のアイコンが「タッチシャッター」になっていると、画面をタップした習慣にシャッターまで切れてしまうので、あらかじめ何回か押して「タッチAF」に変更しておきます。
<オートエリアAFでピント位置を指定する方法>



これ、ファインダーを覗きながら撮るときはどうしたらいいの??

ファインダー派の場合は次の「シングルポイントAF」を使うのがいいですね
この画面タッチして指定する方法はスマホに慣れた人にはなじみがある方法ですが、ファインダーを使って覗きながらとる「カメラスタイル」では少々使いにくい方法です。
なので、その場合は次の「シングルポイントAF」を使ってファインダーから目を離さずにAF枠を移動する方法を覚えましょう。
「シングルポイントAF」はピント位置をピンポイントで指定


この「シングルポイントAF」はファインダーを覗きながらでも操作できるので、是非マスターしてください

ファインダーをほとんど使わない私もできるようになったほうがいい??

それは・・・まぁ画面タッチだけで十分かもしれません・・・
この「シングルポイントAF」はオートエリアAFと違い、最初からピントを合わせるAF枠が表示されていて、そこにピントを合わせる方法です。
このシングルポイントAFのAF枠は十字キーで移動可能で、あらかじめ自分で好きな所にAF枠を移動させておいて、そこにピントを合わせることができます。
しっかり構図とピント位置を決めたい風景写真に有効な方法で、ファインダーを覗きながらでも操作できるので、これも是非使えるようになりましょう。
<シングルポイントAFの設定方法>


<AF枠の移動方法>


AF枠は十字キーを使ってAF枠を移動させます。タッチパネルを使う場合は先ほどと同じく左上のアイコンを「タッチAF」にしておきましょう。
さらに「OK」ボタンを押すとAF枠を素早く中央に戻すこともできます。
ファインダーを覗いた状態で十字キーを操作して、「自由にAF枠を動かせる」、「中央に戻す」ができるようになるようによく練習しておきましょう。

人や動物はオートエリアAFでカメラの力を借り、風景はこのシングルポイントAFで自分で精密ににピント位置を指定する・・・と使い分けるのが理想ですね
「3D-トラッキング」はピンポイント&被写体追従!


3Dトラッキングとはピントを合わせた被写体を自動的に追いかけるモードです。フォーカスモードをコンティニュアスにしてから選択してくださいね
最後に紹介するのがこの「3D-トラッキング」です。
これは自分でピントを合わせた被写体が移動しても自動的に追尾してくれるモードで、シャッターボタンを半押ししている間ガッチリと被写体を追いかけてくれます。
人や動物などは「オートエリアAF」の自動検出でも大丈夫ですが、風景など自動検出できない被写体をピンポイントで追いかけたい場合はこちらの「3D-トラッキング」を使いましょう
<3D-トラッキングAFの設定方法>


<3D-トラッキングAFのピント合わせ方法>



すご!ピントを合わせたものを追いかけていく!!

これを使えば自動的に検出できないもの(花など)でもトラッキングできるので、構図の微調整なんかがすごくしやすいんですよ
この3D-トラッキングは動くものはもちろん、動かないものに対しても「先に中央でピントを合わせてそれからカメラを振って構図を決める」という使い方にも有効です。
オートエリアAFで検出できない被写体を撮る場合にかなり効果的なので、是非一度試してみてください。
「被写体検出設定」で被写体の種類を指定する


ドッグランでペットを撮るときに、どうしても飼い主さんにピントがいっちゃう!

ペットがメインなのであれば、最初から検出する被写体の種類を動物に固定してしまうといいですよ
Z50IIの被写体検出能力はかなり強力ですが、それでも「ペットと人」のような画面内に対象が複数ある場合「どっちがメインなのか」までは理解することができません。
もしドッグランなど人と動物が混在する場所で、最初からペットにピントを合わせるのが明確なら、「被写体検出設定」をオートではなく「動物」に固定してしまうことで、不必要に人にピントが合うのを防ぐことができます。
<被写体検出設定の方法>


<Z50IIの被写体検出設定で選択可能な項目>
- オート(自動)
- 人物
- 動物
- 鳥
- 乗り物
- 飛行機
- しない(自動検出しない)
(出典:Z50II活用ガイド:優先してフォーカスを合わせる被写体を設定する)
シャッター音が気になる場合は「サイレント撮影」で撮る


おしゃれなラテアート撮りたかったんだけど、静かなカフェだったから気が引けて・・・

「サイレント撮影」という設定を入にすればシャッター音を消して撮影できますよ
ニコンZ50IIにはシャッター音を消して撮影する機能があります。
静かなカフェや観光名所、また子供の寝顔など、シャッター音が気になる状況ってありますね。
そんな場合、この「サイレント撮影」機能を入にすると、シャッター音をほぼ完全に消して撮影することができるので利用しましょう。
<サイレント撮影の設定方法>



シャッター音消して撮れるんだったらずっとそのまま撮ればいいんじゃない?、わざわざ音を出して撮る意味ある?

サイレント撮影には「速く動くものが歪んで写る」という弱点があるので、切り替えながら撮るのが理想なんです
詳しくは割愛しますが、サイレント撮影(電子シャッター)には高速で動くものが歪んで写りやすい(ローリングシャッター現象、こんにゃく現象)というデメリットがあります。
なので、サイレント撮影はなるべく止まっているものにのみ使い、普段は普通にシャッター音を出して撮るのが良いでしょう。
注:博物館や美術館、カフェや飲食店の中には「撮影禁止」、「撮影ご遠慮ください」という所もありますので、その場所のルールを確認すると同時に、一人一人がマナーを守って撮影を楽しむようにしましょう。
動いているものは「レリーズモード」で連写に設定


レリーズモード設定は連写の設定ができます。早く動いているものを撮る時に使いましょう

速く動くものを画面内に収めるのはなかなか難しいものです。
その場合は連写を使って一連の流れで撮っておき、後から一番よく撮れたのを選ぶという撮り方が有効でしょう。
連写は「レリーズモード」から1秒間に撮りたい枚数に応じて設定します。
そこまで速く動くわけではないものに高速な連写を使うとほとんど同じ写真を大量に撮ってしまうので、相手に応じて選ぶようにしましょう。
<連写の設定方法>


●1コマ撮影
連写オフです。シャッターボタン1回につき1枚撮影します。
●低速連続撮影
連写モードです。シャッターボタンを押し続けている間連続して撮影を繰り返します。
十字キーの下を押すと1秒間の撮影枚数(1~5枚)を設定できます
●高速連続撮影
連写モードです。シャッターボタンを押し続けている間連続して撮影を繰り返します。
「高速連続撮影」は1秒間に約5.6枚(サイレント時は9.7枚)撮影します
●高速連続撮影(拡張)
連写モードです。シャッターボタンを押し続けている間連続して撮影を繰り返します。
「高速連続撮影(拡張)」は1秒間に約11枚(サイレント時は15枚)撮影します
●C15/C30
1秒間に15枚/30枚ハイスピードプレームキャプチャーで連続撮影します
JPG/NOMAL/サイズL固定でその他一部機能が制限されます
●セルフタイマー
シャッターボタンを押した後、指定の秒数後に撮影します。
2秒、5秒、10秒、20秒から選びます

連写もやりすぎると枚数が増えて後が大変なので、ここぞというところで使うようにしましょう
中級者向け:超絶速く動くものは「プリキャプチャー」で時間をさかのぼる(チート)


親戚の子供のサッカーの試合を撮るのを頼まれることがあるんだけど、やっぱりプロみたいにバッチリ撮るのは難しいね・・・

まぁそりゃプロはそれで生活してますから。でもZ50IIのプリキャプチャーを使えば、もしかするともしかするかもしれませんよ!?

Z50IIの目玉機能(?)の一つにこの「プリキャプチャー」があります。
プリキャプチャーとはシャッターを全押しする前から記録を始め、全押しした瞬間に最大1秒さかのぼって撮影を始めるという、ひと昔前では考えられなかったような機能で、Z50IIにも搭載されています。
これをうまく使えば、例えばサッカーのシュートの瞬間や鳥が飛翔する瞬間といった、素人の反射神経では到底間に合わないような瞬間も写真に収めることができるかもしれません。
<プリキャプチャーの設定方法>






尚、スポーツ撮影の場合状況によりますがSモードにしてシャッタースピードを1/4000や1/2000など、かなり早いシャッタースピードが必要になるはずです。
いずれにしても総合力が求められるので、最初からうまく撮れないとしてもガッカリしないようにしましょう。

「プリキャプチャーがあれば誰でもすぐ撮れる」というほど簡単ではないので、焦らずじっくり取り組んでくださいね
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