こんにちは!カメラ歴15年、レンズ総購入数45本のNEKO(ねこ)です!
画質重視と思われがちなキヤノンRFマウントの中で、まさかこんなに早く便利ズームが登場するとは思っていませんでした。
画質は一体どうなのか?便利ズームなりの妥協したものなのか??どうしても自分の目で確かめたくてあっという間にポチってから早1年、大体わかってきたのでレビュー記事にすることにしました。
Lレンズとの比較などいろいろと言いたい事は山ほどありますが、とにかくまずは作例からどうぞ。全てEOS R+RF24-240mm F4-6.3 IS USMで撮影しています。
望遠側のF値は6.3と暗いですが望遠なのでしっかりとボケてくれます
逆光ですがフレアやゴーストもかなり抑えられています
とにかく手軽に240mmまで寄れるのが楽しくてしかたありません
目の前の紅葉を望遠側で。マクロレンズではないですがこれくらいまでなら寄ることができます。解像感もいい感じ
結論:RF24-240mm F4-6.3 IS USMはメインレンズにもOK
結論から言いますと、このRF24-240mm F4-6.3 IS USMは大変イカンレンズです。
何がイカンのかと言うと、もうこれ一本で全部済ませたらいいんじゃない!?と思えるぐらいに普通に綺麗に写ります。一昔前の便利ズームは何だったんだあれ。
とくに普通の人であれば画質面でこれ以上求める必要は全く感じないはずです。Lレンズと比較してみましたが等倍に拡大してようやく違いが判るレベルです。
もちろん色々と気になることもあります。そのあたりも含めて赤裸々にレビュー致しますので、もしこのRF24-240mm F4-6.3 IS USMが気になっている方がおられましたら、是非参考にして頂ければと思います。
RF24-240mm F4-6.3 IS STMの特徴
では早速RF24-240mm F4-6.3 IS USMのスペック面での特徴からレビューしていきます。
ここでは細かい仕様に関しては他の方に任せて、特に自分が一年使って特にポイントと思える部分を紹介していきたいと思います。
24mmから240mmを1本でカバーする高倍率ズーム
レンズ交換不要な光学10倍の便利ズーム
やっぱり一番最初に言いたいのは光学10倍のズーム域です。
広角側は過去の一般的な便利ズームが採用していることが多かった28mmではなく、最近一般的になりつつある24mmを採用してくれているのが嬉しいポイントです。さらに望遠側は240mmとなっていて、200mmよりもちょっとですが長いのも助かります。
普段のスナップや荷物を減らしたい旅行などでは、レンズ交換無しで済むこのRF24-240mm F4-6.3 IS USMはとても重宝するはずです。
約5段分の光学手ブレ補正搭載
5段かどうかは怪しいが手ブレ補正はしっかりと効く
光学手ブレ補正の効果は最大5段分とされていて、これは理論上は望遠側でもSS1/8まで使える可能性があるということです。
自分の腕ではさすがに240mmでSS1/8だと歩留まり的にも厳しかったですが、SS1/60ぐらいまでならかなりイージーに常用できるので安心です。どんどん下手くそになるなこれ。
7枚羽円形絞り
円形絞りなので安心。まぁそんなに絞れないけどね
絞りは7枚円形絞りを採用しているので2段程度であれば絞っても綺麗な円形のボケをキープできます。
3段絞るとボケに角が見え始め、4段まで絞ると完全に絞りの形がボケに出てしまいます。
つまりRF24-240mm F4-6.3 IS USMで綺麗な玉ボケを出すには絞りはF13以下にすると良さそうです。
もちろん夜にこのレンズの望遠側で3段以上絞るという使い方はちょっと想像しにくい所ではありますが・・・。
ナノUSMモーターで高速かつ静かなAF
AFはSTMのような駆動音は全くしない
AF(オートフォーカス)の駆動用モーターは最近は静粛性も求められる時代になりました。
RF24-240mm F4-6.3 IS STMに搭載されているAFモーターは超音波モーターであるUSMタイプなので、比較的安価なSTMモーターのように動画撮影時にカメラの駆動音が録音されてしまう、といったことはほとんどありません。
早さも優秀で一度無限遠に合わせてから最短撮影距離付近にピントを合わせても無音で「スッ」と合う感じで、個人的にはほぼLレンズ並みといってもいいほどだと感じました。
RF24-240mm F4-6.3 IS USMの好きなところ
ではここからは一年使ってみて個人的に気に入ったポイントを上げていこうと思います。
もちろん感覚や感じ方には個人差がありますが、実使用での感想なので是非参考にしてみて下さい。
便利ズームはやっぱり便利
やはり便利は正義
なんといっても「便利」!この一言に尽きるかもしれません。
とにかくつけっぱなしの快適さったらないです。デジタル一眼のメリットであり醍醐味でもあるはずのレンズ交換ですが、最近なぜか「面倒」と感じている自分がいまして・・・。
そんな時に従来であれば「レンズを付けかえてまで撮る程でも無いかー」と見送ってしまっていましたが、このレンズは当然そういったことに気を取られることなくどんどん撮っていけます。
旅行やちょっとした外出などはもっぱらこれ一本で出かけてます。
便利ズームを感じさせない十分以上の画質
アラを探せばそりゃ出てきますよ(ぱっと見でどっちが甘いかわかりますか?)
従来便利ズームと言えば、レンズ交換が不要な代わりに画質、とくに解像感の点で少し妥協が必要でした。しかしこのRF24-240mm F4-6.3 IS USMは、画質に関してはかなりのレベルで満足して使うことができると感じています。
試しに一眼レフ用のレンズではありますが、プロ向けのLレンズである「EF70-200mm F4L II IS USM」と撮り比べをしました。(絞りは両方ともF8)
普通に4Kモニターで見ても違いはわかりませんが、等倍拡大するとさすがにRF24-240mm F4-6.3 IS USMの方は甘さが見えてきます。
ただこの程度の差であれば、A3プリントを含めスマホやタブレットでの鑑賞やSNSなど、普通の人が楽しむのに全く不足を感じることはないでしょう。
USM採用なのでSTMよりAFが静かで早い
Lレンズのような上品なAFが心地よい
RF24-240mm F4-6.3 IS USMのAFのモーターは超音波モーターの一種である「ナノUSM」が使われています。
古くから多くのLレンズに使われてきたのは「リングUSM」と言われるモーターですが、このナノUSMもRF24-105 F4L IS USMなどにも使われており、Lレンズ譲りの静粛性と高速AFを持ち合わせています。
RF24-240mm F4-6.3 IS USMのイマイチなところ
いい所ばかり褒めるのは簡単ですが、それではレビューの意味がありません。なんせお金出して買ってるんですから。
ではここからはお楽しみ、RF24-240mm F4-6.3 IS USMのダメだと思った点を、忖度無しにあげつらっていきたいと思います。
コントロール&フォーカスリングが切り替え式
コントロールリングってRシステムの目玉機能じゃなかったんですか・・・
キヤノンRFマウントレンズにはコントロールリングというカスタマイズ可能なリングがありますが、このRF24-240mm F4-6.3 IS USMはコントロールリングがフォーカスリングと共用になっており、スイッチで機能を切り替えるという方式です。
もちろんAFなので普段から頻繁にフォーカスリングを回す訳ではありませんが、例えば大きくデフォーカスしてしまった時にとっさにフォーカスを戻すつもりでコントロールリングを回して、もう訳が分からなくなって・・・今となっては懐かしい思い出です。
コントロールリングはRFマウントの目玉的な機能の一つなので、できれば全てのレンズで独立して設けて欲しいです。(あと場所も統一してほしい!)
F6.3はやっぱりちょっと暗い
たった1段と1/3、されど1段と1/3
これはもうどうしようもない事だとは思いますが、やっぱりテレ側240mmのF6.3がちょっと暗くて使いにくいですね。
室内だとどうしてもISO感度を上げて対応しなければならない場合も多く、価格を考えると比較してはいけないのは分かっていますが、ここだけはやっぱりF4通しやF2.8通しのLレンズの使いやすさにはかなわないです。
デジタル補正前提レンズなのでRAWは大荒れ
真ん中より左がJPG、右がRAWをストレート現像 ここまで収差が出るレンズも珍しい
これは既にあちこちで散々酷評(?)されている点ですが、実はこのレンズ各種の収差などをあえて光学的に完全には補正しないデジタル補正前提のレンズとなっています。
もちろんカメラの中に補正データが入っているので、特に何もしなくても自動的にデジタル補正がかかるので実使用としては特に問題はありません。
ただし、RAWデータはデジタル補正前の「生光学データ」であり、これが特に広角側で大変な湾曲と光量落ちになっています。
<デジタル補正有無比較>
ボディ内で自動補正されたJPG
デジタル補正無しのRAW
RAWの方は魚眼レンズ並みのタル型の歪みが出ている上に、左右の角は「周辺光量落ち」と言ったら周辺光量落ちさんに失礼なぐらいの、壮大なケラレが出ています。
きっとこのスペックのレンズをこのサイズに収めるために、敢えて光学的な性能を犠牲にしているのでしょう。ある意味これを自動的に上の綺麗なJPGに補正する技術は凄いと感心しますね。
キヤノン純正のDPP4やLightroomなどは補正データをすぐに適用できるので問題は有りませんが、レンズ補正データがまだ提供されていないRAW現像ソフトを使いたい人は要注意です。
相変わらずのレンズフード別売
キヤノンはLレンズ以外はレンズフード別売
ラストはキヤノンあるあるレンズフード別売問題です。
ご存知の通りキヤノンの交換レンズはLレンズ以外は全てレンズフード別売です。いつも思いますが、レンズフードは機能的に必需品にもかかわらず別売扱いなのはちょっと残念です。
特にね、非Lレンズの別売レンズフードなんてほとんどただのプラスチックなんですよ。植毛されている訳でもなければ、溝が切ってあるわけでもないんです。(されてるのもあるのかもしれませんが)
せめて別売にするのであれば、純正らしく光学性能に全振りした「これなら買ってでも欲しい」と思えるレンズフードを期待したいものです。
RF24-240mm F4-6.3 IS USMのレビューと評価
大手のカメラサイトのレビューをまとめましたのでこちらも参考にしてみて下さい。
デジカメWatch 新製品レビュー:Canon RF24-240mm F4-6.3 IS USM
ShaSha(カメラのキタムラ)RF24-240mm F4-6.3 IS USM レビュー
カメラのナニワ RF24-240mm F4-6.3 IS USM 実写レビュー
マップカメラ R STYLE ~RF24-240mm F4-6.3 IS USM~
RF24-240mm F4-6.3 IS USMのスペック
RF24-240mm F4-6.3 IS USM 主な仕様
レンズ構成:15群21枚
絞り:7枚(円形絞り)
最小絞り: F22(24mm時) / F36(240mm時)
最短撮影距離:0.5m(24mm時)
最大撮影倍率:0.26倍(240mm時)
フィルター径:72mm
重量:約750g
キヤノン:RF24-240mm F4-6.3 IS USM|概要
RF24-240mm F4-6.3 IS USMの作例
望遠側でも最短撮影距離に余裕があるので、こういった足元を撮るのも問題なし
広角側が24ミリなのは風景好きの自分にとってはとても使いやすい
夕暮れとはいえ太陽が直接入っているにもかかわらず、フレアもゴーストもほとんどない
コントラストが気に入った一枚。色味はLレンズほどではないがしっかりと濃い
やや二線ボケ傾向だが、必要十分なボケ味。
暗い状況にはあまり強くないが、最近のフルサイズなのでISO6400までなら常用範囲か
まとめ:RF24-240mm F4-6.3 IS USMはつけっぱなしにできる一本
一年使ってきての感想ですが、自分にとっては割と買って良かったと思えるレンズです。
最近ではEOS RPにつけっぱなしにしていて(さすがにEOS Rとのコンビは普段使いにはちょっと重い)、仕事でないときはとにかくそれをそのままカバンに入れて持ち歩いています。
今の所EOS Rシリーズの中で非Lの望遠レンズは「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」になりますが、そこまでの望遠域が必要なければこのRF24-240mm F4-6.3 IS USMは有力な選択肢になると思います。
この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しく思います。最後まで読んで下さってありがとうございました。
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